イーサリアム(ETH)は、金利上昇環境下で引き続き下振れリスクに直面している。しかし、一部のアナリストは、市場が早ければ今年8月にも実施される「マージ」の可能性を織り込んでいるため、トークンの次の売りの動きはベアトラップに変わるかもしれないと考えている。
市場分析
イーサリアム(ETH)は、金利上昇環境下で引き続き下振れリスクに直面している。しかし、一部のアナリストは、市場が早ければ今年8月にも実施される「マージ」の可能性を織り込んでいるため、トークンの次の売りの動きはベアトラップに変わるかもしれないと考えている。
年末には4000ドル?
仮想通貨アナリストのWolfが5月20日に共有したテクニカル的な洞察によると、イーサリアムの価格は2022年末までに4,000ドルに達する可能性があるとのことだ。
このアナリストは、ETHが水平なトレンドラインのレジスタンスと上昇するトレンドラインのサポートからなる上昇トライアングルパターンの中で動くと考えている。
サポートとなっているトレンドラインへの直近の再テストは、下図のように、4,000ドルに位置するトレンドラインに向かって大きな反発を開始する可能性があるという。
ETH/USD three-day price chart featuring ascending triangle setups. Source: Wolf/TradingView
Wolfは2016年の同様のトライアングルのセットアップから強気の洞察を得た。同様に、2017年の別の上昇トライアングルの発生は、ETH/USDが1,500ドル超まで270%上昇した強気のフォローアップにつながった。
「マージ」は早ければ8月にも
Wolfのフラクタル的な分析が示されたタイミングで、イーサリアムのコア開発者の一人であるプレストン・ヴァン・ルーン氏が、イーサリアムのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)コンセンサスメカニズムへのアップグレードが早ければ8月中に行われるとも見通しを示した。
Wolfは、イーサリアムが「ベアトラップ」を仕掛けていると指摘し、上述のような彼のテクニカル的な洞察を補完する意味を持つだろうと主張する。
Bear trap few months from the #merge makes sense. $ETH
— Wolf (@IamCryptoWolf) May 20, 2022
PoSへのアップグレードは、イーサリアムのブロックチェーンにおける長年のスケーラビリティ問題を改善すると同時に、ガス(手数料)コストを削減できことになると考えられている。そのため、このアップグレードは2021年のイーサ価格上昇の主要な触媒の1つだった。だが、イーサリアム財団はローンチを延期し続けてきた。
仮想通貨リサーチを手掛けるBitfreedom Researchは、ETH価格が2022年10月までに950~1900ドルに向かって下落すると予測しているが、「間違いなく、進捗のなさがイーサリアムの最近の価格下落に大きな役割を果たした」と指摘している。
同社は、イーサリアムの弱気見通しの中核的な理由として金利の上昇を挙げ、次のように指摘した。
「仮想通貨市場の動きは非常に速く、これは仮想通貨企業が急成長を支えるために多くの現金を必要とすることを意味する。現金がなければ、イーサリアムのERC20トークンエコノミーがデススパイラルに陥いる可能性がある」
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