多くの国がNFTへの規制強化へ NFT市場はまだ「自由」はあるのか

　　2021年に暗号資産アーティストBeeple氏によって作成されたNFTの絵画「Everydays: the First 5000 Days」がChristie'sで6,930万米ドルの高額で取引された。これを皮切りに、NFTは世界中で徐々に人気を高めている。

　　その後は多くのNFTプロジェクトが立ち上がり、OpenSea、SuperRare、FoundationなどのNFT取引プラットフォーム主導で、NFT市場が形成されつつある。

　　DappRaderのデータによると、現在世界最大のNFT市場であるOpen Seaの取引量は300億米ドルを超えた。過去のデータによると、2020年の世界のNFT市場資産の総市場価値はわずか3億1700万米ドルだったが、2021年の上半期には127.25億米ドルまで急上昇した。2022年第1四半期には、世界のNFT取引資産の合計は164.57億米ドルに達した。

　　NFT市場の成長により、ゲーム、ファッション、アートなど様々な分野からも参入が加速し、世界各国のNFTに対する態度も徐々に明らかになり始めた。

　　

　　＜米国＞

　　世界のNFT企業のうち、約41％が米国に拠点を置いている。2022年初頭、米国財務省は「アートトランザクションを通じたマネーロンダリングおよびテロ資金調達に関する研究」というレポートを発表した。NFT技術が世界のアートマーケットに新しい機会をもたらすと同時に、マネーロンダリングのリスクを認識し、犯罪者が不正な資金を使って取引を行うのを防ぐことも重要であることを指摘した。

　　4月、IRS（アメリカ合衆国内国歳入庁）はNFT投資家に課税する予定だと発表した。Chainalysisのデータによると、NFTの投資家とクリエイターは市場を440億ドルまで上昇させた。IRS官員は、NFTの投資家が数十億ドルの税金を納税しておらず、これを取り締まる準備をしていると述べた。NFT取引での課税は、多くのNFT投資家の利益を損なうが、こうした措置はNFTの取引環境を整備することも意味している。

　　

　　＜シンガポール＞

　　5月13日、シンガポール最高裁判所は、NFTを「価値があり、認識可能で、保護可能な財産」として認定した。これは、NFTの特徴づけにおいて意義深い一歩であり、少なくとも理論的には、NFTに「財産」保護を適用する可能性を与える。

　　

　　＜その他の国々＞

　　2022年初頭、インドはテクノロジーとビジネスに焦点を当てた連邦予算収入計画の一つとして、NFTなどのデジタル資産の譲渡による所得に30％の課税を行う必要性について述べた。インドのNFT企業は11社で、世界全体の5.02％を占め、3番目にランクしている。

　　5月16日、オーストラリア税務局（ATO）は、株式の売却と同様に、NFTの売却も課税対象となる可能性があるという通知を発行した。

　　韓国のNFT市場も比較的活発である。2月15日に、韓国金融監督院（FSS）は、年次作業計画の中で、NFTを含む新規取引資産に対する監視を強化することを発表した。

　　各国はNFTの規制方法について積極的に検討しているが、明確な結論はまだ出ていない。しかし、NFTに法的な枠組みが必要だと考える国は増えており、今後NFT市場はより秩序あるものになると考えられる。

　　

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