仮想通貨レンディングプラットフォームのセルシウスの破産申請により、その債務超過が12億ドルにのぼることが明らかとなったほか、その状態について、いくつかの問題も指摘されている。
Brian Newar 2022年07月15日 15:15 破産申請した仮想通貨企業セルシウス、債務超過は12億ドルに
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仮想通貨レンディングプラットフォームのセルシウスの破産申請により、その債務超過が12億ドルにのぼることが明らかとなったほか、その状態について、いくつかの問題も指摘されている。
7月14日にセルシウスのアレックス・マシンスキーCEOが署名した連邦破産法第11条の書類によると、同社は55億ドルの負債に対して約43億ドルの資産を保有しており、12億ドルの債務超過であることが明らかになった。
ユーザーからの預金が47億2000万ドルと負債の大半を占め、セルシウスの資産には6億ドル相当の資産としてCELトークン、7億2000万ドル相当のマイニング資産、17億5000万ドルの暗号資産などがある。
しかし、CoinGeckoのデータによると、CELトークンの時価総額は全体で3億2100万ドルに過ぎないため、仮想通貨コミュニティの一部から疑惑の目を向けられている。
The financial roundup for Celsius reveals a $1.2 billion deficit.
暗号資産の中には、41万421個のLido Staked ETH (stETH) トークンがあり、約4億7900万ドルの価値があり、5%のAPY(年利)が発生している。ただ、トークン自体はイーサリアム・ネットワークがプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行するまでイーサ (ETH) に引き換えることができない。
セルシウスのアレックス・マシンスキーCEOは、ビットコイン・マイニング事業で採掘したビットコイン(BTC)を売却して「十分な資産を生み出し」、少なくとも1つの融資を返済し、将来的に同社の収益とすることもできると文書の中で述べている。同社は、2023年まで約1万5000BTCを生み出すことができると予測している。
スワン・ビットコインの創設者であるコリー・クリプスタイン氏は、セルシウスとボイジャーの両社が最近、証券投資家保護法(SIPA)ではなく、連邦破産法11条の適用を申請したことを非難している。
7月14日のツイートで、クリプスタイン氏は、SIPAに基づく申告をすれば、破綻した会社の顧客向け資産がほかの会社に移譲され、少なくとも預金の一部が戻ってくるはずだと述べた。
連邦破産法第11条に基づく手続きでは、申請した会社がすべての資産の所有権を主張することになる。一方SIPAの下では、破綻した会社は、口座を他の会社に移すか、清算して投資家に資金を送らなければならない。
If @celsiusnetwork and @investvoyager cared about their users they'd file for SIPA bankruptcy as brokers (which they always claimed to be), where ALL proceeds go to customers first.nFiling for Chapter 11 is them saying EXPLICITLY that THE COMPANY OWNS ALL USER ASSETS. pic.twitter.com/FMDzmjRBZO
— Cory Klippsten (@coryklippsten) July 14, 2022
仮想通貨に懐疑的な経済学者でブロガーのフランシス・コッポラ氏は、7月14日のブログ投稿で、セルシウスの預金者が「お金を取り戻せない」と考える理由を説明し、さらに悪いニュースの可能性があると主張している。
彼女は、セルシウスがいわゆる「シャドーバンク」であったと主張する。シャドーバンクとは、Investopediaによれれば、ノンバンクの「規制されていない金融仲介機関」だ。
このシャドーバンクへの預金は、「『運用資産』でもなく『顧客資産』ですらない。銀行への無担保融資となる。したがって、銀行の負債であり、倒産すると完全に危険にさらされる」という。
「銀行に預金している人は、資金を返してもらう法的な権利を持っていない。たとえ口座の規約に、顧客が選んだときにいつでも資金を引き出せると書いてあっても、銀行は顧客に支払う現金がなければ、資金の引き出しを拒否することができる」と説明する。
Despite assertions in its terms of use that it is not a bank, Celsius's business model is that of an unlicensed, unregulated bank with no deposit insurance - a “shadow bank”.
— Frances Schadenfreude Cassandra (@Frances_Coppola) July 14, 2022
また、コッポラ氏は、セルシウスの利用規約には、セルシウスが顧客から預かった資金を「好きなように使う」ことが許されていることが明確に記されていると付け加えた。
「そして、倒産した場合、顧客はすべてのお金、またはその一部を取り戻すことができないかもしれないと、はっきりと書いてある」
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