破綻した仮想通貨ヘッジファンドのスリーアローズ・キャピタル、その資産が過大評価されている可能性＝関係者

　　Sam Bourgi 2022年07月20日 12:55 破綻した仮想通貨ヘッジファンドのスリーアローズ・キャピタル、その資産が過大評価されている可能性＝関係者 20 閲覧数 1 シェア数

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　　3ACとして知られる破綻した仮想通貨ヘッジファンドのスリーアローズ・キャピタル（3AC）の債務超過を説明する法廷文書は、同社の残存資産（特に仮想通貨オプション取引所デリビットへのエクスポージャー）の価値を過大評価している可能性がある。

　　清算人ラッセル・クランプラーによって作成され、裁判所に提出された1,100ページにわたる宣誓供述書では、3ACは 「債務超過」であり、「債権者の利益のために残りの資産を保持することにつて経営陣が信頼できないため」、 完全に 「清算する」必要があると説明されている。

　　文書には3ACの残存資産についても詳しく書かれており、それにはグレースケール・ビットコイン・トラスト（GBTC）の株式、仮想通貨ではビットコイン（BTC）やアバランチ（AVAX）、ニア（NEAR）、そしてデリビットの株式が含まれていた。清算人は、少なくとも28億ドル相当とされる債務に対応するために、これらの資産へのアクセスを希望している。

　　Total claims right now are $2.8bn. Many have not made any claims yet, or quantified the amount of their claims for confidentiality reasons. Expect this figure to rise substantially as the deadline to make a claim is right up to the day before distributions are to be made

　　— Soldman Gachs ⌐◨-◨ (@DrSoldmanGachs) July 19, 2022

　　宣誓供述書によると、デリビット株は5億ドル、つまり3ACの残存資産の半分の価値があるとみられている。しかし、この問題に詳しい関係者はコインテレグラフに対し、3ACのデリビット株の価値は5億ドルではなく2500万ドルに近いと指摘している。

　　匿名を選んだ関係者によると、2つの金額の不一致は、3ACがデリビットに対して持つエクスポージャーの種類によるものだという。3ACはデリビットの株式を直接保有しておらず、代わりに「3AC QCP Deribit SPV」というシンガポールの特別目的事業体（SPV）の株式を保有しているとのことだ。SPVの最大株主は3ACと、アルゴランドやPundiXを傘下に持つ持ち株会社である「QCP Soteria Node」であることが、そのウェブサイトから判明している。SPVの取締役には、QCP Soteria Nodeの創業者シャーウィン・リー氏、QCP Capitalの共同創業者ダリウス・シット氏、スリーアローズ・キャピタルの共同創業者スー・チュー氏が名を連ねている。

　　さらに、このSPVはデリビットの株式の23%以上を保有しており、外部筆頭株主であるという。このうち、3ACは16%を保有しており、SPVの筆頭株主となっている。

　　「SPVの株式は、いくつかの重要な担保のために、直接のデリビット株式よりもかなり価値が低くなる」と、匿名の関係者は付け加えた。

　　「SPV の株式の所有者は、全会一致の同意がない限り、原資産のデリビット株を売却したり譲渡したりすること はできない [...] これは、株式の所有者が SPVで立ち往生してしまうことを意味する。これらはSPVの規約に明記されている」

　　関係者によると、QCP Soteria Nodeは、2者間のサイドレター契約に基づき、3ACのSPV株式について、第一選択権やタグアロング権などの一定の契約上の権限も有しているとのことだ。

　　3ACは数年にわたり、SPVの16％の株式の一部を「SPV株式の所有権を有すると主張する多数の関係者に拘束力のあるサイドレター」を通じて売却していたという。「これらのサイドレターを持ち、SPVの3AC持分だった株式の所有権を主張している当事者が少なくとも4人いる。そのうちの何人かは、清算人の公式な債権者リストに載っている」という。

　　その関係者は、これらの潜在的な負担のために、彼らの株式の価値に「かなりの割引」をする必要があると主張した。

　　「3ACのSPVの株式を購入する場合、これらの抵当権の影響を受けるため、将来的に株式をマネタイズすることが非常に難しく、また30人近いメンバーを抱えるSPV全体を相手にしなければならないため、株式の価値にはかなりのディスカウントが必要だ

　　スリーアローズ・キャピタルは、仮想通貨の最も重要な転落の一つとなっている。かつては100億ドル以上の運用資産を持ち、業界で最も尊敬されるヘッジファンドだった3ACは、テラ・エコシステムの崩壊をきっかけに崩壊し始めた。

　　コインテレグラフは、この問題についてスリーアローズ・キャピタルに連絡を取ったが、記事公開前に返答を得ることができなかった。