ファントークンプラットフォーム「Socios.com」を開発したブロックチェーン企業チリーズは、弱気相場が続く中でも従業員の拡大を続けており、ファントークンの分野における成長傾向を反映している。
Helen Partz 2022年10月18日 18:13 ファントークン企業のチリーズ、仮想通貨の冬の中でもスタッフを70%増加=CEOインタビュー
インタビュー
ファントークンプラットフォーム「Socios.com」を開発したブロックチェーン企業チリーズは、弱気相場が続く中でも従業員の拡大を続けており、ファントークンの分野における成長傾向を反映している。
2022年の仮想通貨市場全体は、年初から時価総額が60%も急落し、大規模な売りが発生した。コインベースやジェミニなど一部の大手仮想通貨企業は、業務を維持し、顧客へのサービスを継続するために、10%~20%の人員削減を余儀なくされた。
仮想通貨の冬の時代に、多くの仮想通貨ビジネスが困難に直面する中、ファントークン業界は回復力を見せているようだ。
2022年に世界的なプレゼンスを拡大し続けるため、チリーズは今年、同社の人員を70%以上増やしたと、ChilizとSocios.comのアレクサンドル・ドレフュスCEOはコインテレグラフに語っている。
ドレフュス氏によると、チリーズは今年マイアミ、スイス、ロンドン、ミラノ、サンパウロに開設したオフィスで、現在300人以上の正社員が働いているという。また、マドリッド、マルタ、リヨン、イスタンブールのオフィスでも新しい人材を採用している。
「私たちはチームと世界的なプレゼンスを非常に大きく成長させた」とドレフュス氏は述べ、チリーズが過去の仮想通貨の冬をうまく乗り越えたと付け加えた。「我々は過去にこれと似たような市場環境を経験した」と述べ、同社が2018年に設立されたことに触れた。
チリーズの採用活動は、2022年のファントークン業界の成長傾向を反映している。CryptoSlamのデータによると、世界のファントークンセールスの月間取引高は2022年初頭から約200%急増し、9月には約64億ドルに達したという。。
Year-to-date monthly volumes of fan token global sales. Source: CryptoSlam
CryptoSlamのデータによると、ファントークンの販売量が増加傾向にある一方で、非代替性トークン(NFT)については全く逆の傾向になっている。世界のNFTの月間販売量は、2022年1月の48億ドルから9月の5億5000万ドルまで88%縮小した。
ドレフュス氏によれば、ファントークン業界の成功の背景には、スケーラビリティが考えられるという。「ファントークンは、何百万人ものユーザーがこれらのコミュニティにアクセスできるようなスケーラビリティを、手頃な価格で提供できる唯一のデジタル資産だ」と彼は言う。
NFTとは異なり、ファントークンは交換可能なデジタル資産であり、各トークンはいつでも同じ価値を保持することができるとドレフュスは述べている。
「NFTは、トークン保有者を中心としたコミュニティを形成することができ、多くのユースケースがあることから称賛されている。しかし問題は、数千のNFTをミントすることさえ、非常に費用が掛かることだ」と言う。
ドレフュス氏は、ファントークンはNFTに勝つためのものではなく、この2種類のトークンはむしろ互いを補完するものであると指摘する。また、ドレフュス氏は、チリーズが企業ビジョンにおいて重要な役割を担っていることから、NFTを中心とした強固な戦略を持っていること述べる。
「『NFTに勝つ』ということではない。ファントークンは製品であり、NFTはテクノロジーであり、私たちの製品提供に不可欠な要素だ。NFTは、ファントークン保有者に報いる方法の一つである」
NFT業界でいくつかの発展を遂げたものの、チリーズはファントークンを会社の主要なテーマとすることにこだわり続けている。「私たちはまだポテンシャルの1%にも満たないのだ」とドレフュス氏は付け加えている。
ファントークンは、スポーツチームやバンドなどのファンコミュニティに利益を提供するために設計された仮想通貨の一種だ。チリーズとファンエンゲージメントプラットフォームのSocios.comは、FCバルセロナ、ユベントス、パリ・サンジェルマンなど、世界中の数十のスポーツ団体とファントークンのパートナーシップを結んでいる。
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