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DAO同士の掛け算で成長最大化を模索する「D2D」 仮想通貨保有者が意識すべき理由 【Weekly DAO Report】

 DAO同士の掛け算で成長最大化を模索する「D2D」 仮想通貨保有者が意識すべき理由 【Weekly DAO Report】 WikiBit 2023-02-27 02:55

DAOの中には他のDAOと提携することでさらに価値を高めるDAOがある。今後、DAO同士の相性を見極めて相互の価値を最大化するガバナンスが重要視されるようになるかもしれない。

  著者 大木悠 dYdX財団 Japan Lead

  早大卒業後、欧州の大学院で政治哲学と経済哲学を学ぶ。その後、キー局のニューヨーク支局に報道ディレクターとして勤務し、2016年の大統領選ではラストベルト・中間層の没落・NAFTAなどをテーマに特集企画を世に送り込んだ。その後日本に帰国し、大手仮想通貨メディアの編集長を務めた。2020年12月に米国の大手仮想通貨取引所の日本法人の広報責任者に就任。2022年6月より現職。

  DAOの中には他のDAOと提携することでさらに価値を高めるDAOがある。今後、DAO同士の相性を見極めて相互の価値を最大化するガバナンスが重要視されるようになるかもしれない。

  DAOガバナンスツールを提供するDeepDAOによると、現在1万を超えるDAOがある。自分達のプロトコルを改善し投票率を上げるといった内部での取り組みは当然重要だが、「D2D(DAO to DAO)」という外部DAOとの連携で成長機会を見出す動きが出てきている。DAOガバナンスの専門組織Flipside Governanceが、AaveとBalancerのDAO同士の連携について詳細を調査した。

  AaveはDeFiのレンディングサービスだ。流動性プールを使って流動性を提供した貸し手に手数料を渡し、借り手は瞬時に主要トークンを借りられることが特徴だ。Balancerは、複数資産のプールにおけるスワップ(交換)サービスを手掛ける。この2つのDeFiサービスは、それぞれ独自のDAOを持っており、それぞれフォーラムによる議論・投票によって今後のプロトコルの方針を決めている。

  AaveとBalancerは相性が良い。例えば、Aaveのローンの担保してBalancer Pool Token(BPT)を使うことで、Aaveの流動性が高まりBalancerから手数料収入を追加で受け取れる仕組みができる。実際、AaveとBalancer双方のDAOで投票するアドレスの数は、右肩上がりで増加中だ。

  (出典:Flipside Governance「AaveとBalancer双方に投票したウォレット数」)

  先日Aaveはテストネットで独自ステーブルコインGHOを発行した。こちらもBalancerとの提携を通じて価値を最大化するための仕掛けが考えられているようだ。

  今週のDAOニュース

  重要度:

  【2月19日】パクソスのBUSD新規発行停止 AaveとMakerのDAOが対応

  •   米規制当局がステーブルコインを発行するパクソス社に対してバイナンスのステーブルコインBUSDの新規発行停止を命じたことを受けて、複数の老舗DeFiが対応に追われている。

  •   分散型レンディングプロトコルのAaveは、プロトコルが所有する約1100万ドルのBUSD流動性プールを凍結する案を、2月19日に賛成多数で可決した。

  •   一方、ステーブルコインDAIを発行する分散型プロトコルMakerは、今年1月にパクソスの他のステーブルコインUSDPをMakerに預け入れる提案があったが、1ヶ月以上が経過した現在も、正式なオンチェーン投票への移行を保留としている。

  重要度:

  【2月22日】Uniswap、ERC20トークンでNFT購入可能に

  •   分散型取引所のUniswapは、全てのERC20トークンでNFTを購入可能とすることを発表した。

  •   これまでNFT購入に必要なETHをウォレットに保有していない場合、USDCなどERC20トークンをイーサリアムにスワップしなければならず、ガス代を負担する必要があった。

  •   Uniswapによると、次のリリースでは、複数の異なるトークンを合算してNFTを購入することが可能となる予定だ。

  重要度:

  【2月22日】EUの反マネーロンダリングの新しい草案で、自己管理型ウォレットの禁止回避を議論

  •   EUは、暗号資産におけるマネーロンダリングとテロ資金供与を防止するための草案を作成しており、MetamaskやLedgerなど自己管理型ウォレットを禁止しないものの、取引上限額が1000ユーロ(約14万円)の取引制限の対象とする案を発表した。

  •   以前の草案では、暗号資産ユーザーが自分のコインやトークンをウォレットに保管することを禁止する旨の議論がなされており、波紋を呼んていた。

  •   今回の草案に関する議論は3月28日まで継続され、今後も内容が変更される可能性があるという。

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