上図は、3月1日を起点とする一部の当社取扱い銘柄とS&P500のそれぞれの騰落率と、当社取扱い全銘柄の平均騰落率を表した比較チャートである。
著者 DMM Bitcoin マーケットレポート
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上図は、3月1日を起点とする一部の当社取扱い銘柄とS&P500のそれぞれの騰落率と、当社取扱い全銘柄の平均騰落率を表した比較チャートである。
市場では9日に発生した米SVB(シリコンバレー銀行)の株価急落と翌日の経営破綻を皮切りに、シグネチャーバンクの破綻や、クレディスイスの経営不安の報道が相次ぎ、神経質な値動きが続いている。
上図チャートのS&P500(黄色点線)、暗号資産の平均値(白色点線)をみても、SVB破綻以降の価格は戻しつつあるが、月初の水準を回復できていない。大まかにいえば、リスク資産には厳しい相場環境が続いていると受け取れる。
その中で、月初来でプラスに転じている3銘柄を以下に記す。
①BTC(ビットコイン):+12.1%
②ZPG(ジパングコイン):+4.8%
③ETH(イーサリアム):+4.1%
まず、②ZPGについては、ゴールドの価格との連動を目指す銘柄で、SVB破綻以後、堅調に推移していることから、資金が安全資産に逃避してきたためと考えられる(詳細は3/17のレポート「広がる信用不安、今こそ金の特性を備えるZPG(ジパングコイン)か?」参照)。
一方、①BTCと③ETHについては、値動きの質が②ZPGと異なり、SVB破綻時に-14%近く押したが、その後の力強い上昇によって、18日現在でプラスに転じた暗号資産である。
上昇の要因を考えるうえで、この2銘柄に共通する時価総額と流動性の高さに注目がいくが、その他のアルトコインをみると必ずしもそうではない可能性もある(時価総額、流動性の高いLTC(-16.4%)やBCH(-4.3%)が、MONA(-1.1%)やXTZ(-2.0%)よりも低いパフォーマンスとなっている)。
以上から、個別要因の可能性も想定しておきたい。
例えば、今回の一連のショックのうち、SVBはステーブルコインと、シグネチャーバンクは暗号資産業界と関わりが深い。このため、市場参加者が取引所から資金を回収することを目的に、ステーブルコインから暗号資産に換える動きが強まり、特に流動性の高いBTCが選ばれたとする見方もできそうだ。
ここで、最新の報道を踏まえると、UBSがクレディスイスの買収に合意したこと、米銀がシグネチャーの預金を引き継ぐとの報道、FRBがドルの流動性拡充に向けて各国中銀と協調行動を取る発表(3/20 Bloomberg)は注目したい。
週明けの株式市場、為替市場が始まる前に市場の安心感を得られるかがポイントとなる。
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