いよいよ雇用統計、ビットコイン、3万ドルトライの条件【仮想通貨相場】

　　

　　著者 松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト

　　東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

　　ポイント

　　・28,000ドルを挟んでのもみ合い

　　・失業保険申請件数は増加も季節調整で判断付かず

　　・オーストラリア当局がBinanceの免許はく奪も市場の反応は限定的

　　・本日の雇用統計で5月利上げスキップが示唆されれば、BTCは3万ドルが見えてくるか

　　昨日のBTC相場

　　昨日のBTC相場はもみ合い推移。

　　一昨日29,000ドル（約380万円）トライに失敗すると、28,000ドル（約370万円）を挟んでの小動きに終始した。

　　上海のアップデートを控えたETHの上昇が一服、勢いが良かったドージコイン（DOGE）やXRPも失速気味となる中、BTCは水曜日に29,000ドルトライに失敗するとじりじりと値を下げ始めた。

　　一昨日はADPやISM非製造業と経済指標が弱かったが、一旦低下した米債金利が反発したこともBTCの上値を重くした。

　　昨日は2018年以降のアップルPCのMacOSにBTCのホワイトペーパーが入っていたことが話題となったが、制作過程のテストPDF用として使われたとの見方が有力で市場に与える影響は限定的だった。

　　Binanceがオーストラリアで暗号資産デリバティブ免許をはく奪されBTCは28,000ドルを割り込んだ。

　　新規失業保険申請件数が予想を上回りBTCは28,000ドル台に値を戻したが、季節調整が変更された影響を掴みかねず反応は限定的、米株が小安く始まると再び28,000ドルを割った。

　　その後、米株が上昇に転じるとBTCも28,000ドルを回復するが、ブラード・セントルイス連銀総裁が金融不安による景気の影響は掴みかねないが利上げは続ける姿勢を繰り返したこともあり米2年債金利が上昇する中、28,000ドル近辺での取引が続いている。