P2P取引所Paxfulの共同創設者であるアルトゥール・シャバック氏とムハンマド・レイ・ユーセフ氏が裁判所で対立していることが、Paxfulの突然の閉鎖の背後にある真の理由かもしれない。
P2P取引所Paxfulの共同創設者であるアルトゥール・シャバック氏とムハンマド・レイ・ユーセフ氏が裁判所で対立していることが、Paxfulの突然の閉鎖の背後にある真の理由かもしれない。
シャバック氏とユーセフ氏は、2015年にビットコイン(BTC)への共通の情熱でPaxfulを立ち上げたが、現在は米デラウェア州の裁判所で企業の経営を巡って対立しており、互いに様々な告発を行っている。告発には、企業資金の横領、マネーロンダリング、ロシアに対する米国の制裁回避といった問題が争われている。
共同創設者たちの内紛
シャバック氏は、2022年2月までPaxfulの最高執行責任者(COO)であったが、ユーセフ氏(Paxfulの最高経営責任者)との市場の将来と運営に関する意見の相違や、「未公開企業への支出増加の正当性」に関する対立が原因で、企業運営への参加を禁じられたとされる。
訴訟におけるシャバック氏の主張によれば、Paxfulのビットコインの多くが、トルコの「EMiR」という企業に移転されたとされる。彼は、この企業がまともなソフトウェア会社ではないと主張している。「ソフトウェアやウェブ開発サービスを宣伝するウェブサイトはなく、その物理的な住所は衣料品会社のもののようだ」。
ロシアのサンクトペテルブルクに拠点を置く、元Paxful取締役が所有する「Dekslektika」は、EMiRの下請け企業だ。裁判所の提出書類によれば、これらの企業は、シャバック氏が企業経営から排除された後に始まった「普通ではない大量の取引」に関与しているとされる。シャバック氏側は、「これらの移転には正当なビジネス目的がない」としている。
コインテレグラフへのコメントで、ユーセフ氏はこの主張を「ばかげたこと」と主張している。彼によれば、EMiRへの支出は、Paxfulのために働くトルコのエンジニアリング会社への給与支払いをめぐるものだ。「彼(シャバック氏)は、これらのエンジニアへの給与支払いを、彼らが偽物であり、役立たずだと主張してブロックした。彼は80人のエンジニアチーム全員が仕事を止めるまで、狂ったチキンゲームを続けた。[...] シャバック氏自身が、これが重大なミスであることを認め、役員会でこれらのエンジニアに遡及して支払いが行われるよう指示した」とユーセフ氏はコインテレグラフに語る。
ユーセフ氏側の主張
ユーセフ氏は、シャバック氏の法的戦術は「テロに近い」と主張し、Paxfulに多くの従業員と取締役を犠牲にしたものだと話す。「彼の告発は、我々が最高法務責任者、CTO、CISO、財務担当副社長、人事担当副社長を失うほどに中傷的なものだった。彼はさらに、デラウェア州での弁護活動を辞めるよう要求し、私たちの法律事務所であるマクダーモット・ウィル・アンド・エメリーをも攻撃した」とコインテレグラフに語った。
チームが辞めていく危機の中、ユーセフ氏は、シャバック氏をPaxfulに留めておくことは不可能だったと振り返る。
「アルトゥールと私は、Paxfulを立ち上げるために、一時的にニューヨークでホームレスになった。彼は私と同じ労働者階級の家庭出身であり、多くの点で絆を深め合った仲だった。彼は最初は一生懸命働き、付加価値を提供してくれた。彼が家族の面倒を見ることを尊敬していた。しかし、2018年頃から彼は変わり始めた。私は彼を弁護したが、経営幹部全員が辞任すると訴えてきたとき、彼が変わってしまったこと、そして私が思っていた人物ではなかったことを受け入れるしかなかった」
シャバック氏側の主張
コインテレグラフとのインタビューで、シャバック氏はユーセフ氏が4月4日にPaxfulを単独で閉鎖する行動を取ったと語っている。「ユーセフ氏の行動は、米国の管轄外に権力を集約し、私や他の株主を彼の計画から排除することを目的とするものだった」。
シャバック氏は、会社内の情報へのアクセスが限られており、過去18ヶ月間は日常業務に関与していないとも付け加える。
「Youssef氏と私は、Paxfulの製品の方向性と企業ガバナンスについて根本的な意見の相違があり、彼の現在の行動を見ると、彼の目標は、規制上の圧力のためにPaxfulを米国の管轄から離れさせることだった」と話す。
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