ナイジェリアへの外国直接投資が減少、成長する仮想通貨エコシステムにも影響

　　アフリカ最大の経済国であるナイジェリアは、仮想通貨の急速な普及にもかかわらず、外国からの投資が減少している問題に直面している。

　　ナイジェリア国家統計局（NBS）は、ドル不足のために昨年、アフリカ最大の経済国であるナイジェリアへの海外からの直接投資（FDI）が33％減少したと火曜日に報告している。2022年の投資は、前年の6億9,800万ドルから4億6,800万ドルに減少した。データによれば、FDIは2008年の47億ドルのピーク時から約90％減少しています。このような直接投資減少は、ナイジェリアでの仮想通貨普及も影響しているという。

　　ナイジェリアでの仮想通貨の採用は急速に拡大している。ナイジェリアの通貨ナイラの価値が常に減少しているため、多くの市民は現金よりもデジタル通貨で資金を保管するようになっている。そのため、アクティブな仮想通貨トレーダーが増えている。

　　チェイナリシスの2020年仮想通貨レポートでは、ナイジェリアは調査対象となった154カ国の中で仮想通貨の採用と利用率が8位となっている。この採用率は、同国への外国からの仮想通貨投資が増加することが期待されていたが、実際には減少してしまっているようだ。

　　コインテレグラフとのインタビューで、地元のデータアナリストで仮想通貨支持者のオビンナ・ウゾイエ氏は、ナイジェリアの外国からの投資が低い原因は、仮想通貨の使用が同国で主流になっていないことに起因すると指摘している。ウゾイエ氏は、日常の経済活動での仮想通貨の利用がないことや、金融機関が仮想通貨取引所へのサービスを禁止されていることが、投資率低下の原因であると説明している。

　　ナイジェリア中央銀行は2021年の仮想通貨禁止措置の一環として、国内の仮想通貨取引所および仮想通貨で取引を行っている企業の口座を閉鎖するようすべての商業銀行に指示した。

　　トレーダーのオルミデ・アデシナ氏は、NBSの報告についてツイートし、ナイジェリア人は仮想通貨、フィンテック、エンターテインメントが好きだが、政府や州はこれらの分野で外国人投資家を引き付ける取り組みをしていないと指摘する。別のツイートで、アデシナ氏は、ラゴス州がシリコンバレーのような本物のテック・仮想通貨コミュニティを築くことで、何千もの直接雇用が生まれるだろうともコメントしている。

　　地元メディアの報道によれば、ラゴス州知事のババジデ・サンウォオル氏は、州内での仮想通貨の採用に関する提案を発表している。サンウォオル氏による提案のいくつかには、仮想通貨のサンドボックス規制フレームの設立、仮想通貨に焦点を当てたイノベーションハブの創設、および仮想通貨決済を受け入れる企業にインセンティブを提供することが含まれている。