分散型金融にも規制が必要 フランス中央銀行がDeFi規制で研究ペーパー公開

　　

　　フランス中央銀行が、分散型金融（DeFi）に関する欧州の仮想通貨規制について調査したペーパーを公開した。金融でのトークン化の利用が増え、多くの経済分野でブロックチェーン技術が導入されていることを考慮すると、DeFi分野での規制導入は喫緊の課題であると著者らは述べている。

　　今回の文書は、フランス中央銀行のプルーデンシャル監督・解決局のフィンテック・イノベーション・ハブのメンバーによって執筆されたものだ。「DeFi」という言葉は、現行の規制では十分に対処できない仮想通貨サービス、技術、関連するリスクの範囲を表しているとしている。

　　「このペーパーで展開される主要な考え方は、非仲介型金融の規制が、現在の伝統的な金融のシステムを単純にコピーすることはできないということだ」

　　このペーパーでは、認証による規制がブロックチェーンインフラのセキュリティを強化し、分散型自律組織（DAO）が法人格を持つことで監督され、DeFiサービスへのアクセスを提供する仲介者に対するコントロールによって顧客保護を強化できると提案している。現行の欧州連合の仮想通貨市場（MiCA）規制では、完全に分散化されたサービスが対象外となっており、DeFi仲介者に規制を拡大するためには、「暗号資産サービスプロバイダー」の定義を見直す必要がある。

　　またブロックチェーンコードはミニマムスタンダードに従うべきだと主張している。ただし、DAO内での検証能力の集中をコントロールすることは複雑であり、パブリック・ブロックチェーンへの影響を伴うため、著者らは上限に達した後に発動可能な「解決メカニズム」に言及している。プライベートブロックチェーンは信頼性のあるプレイヤーを選択できる利点があるが、より具体的な規制枠組みが必要となる。

　　さらに、ペーパーでは、スマートコントラクトのコードが、それが意図した通りに機能することを保証するためのさまざまなメカニズムを通じて認証対象となるべきだと主張している。分散型オラクルも、市場競争阻害を避けるために規制されるべきとしている。

　　L‘@ACPR_actu publie un document de réflexion sur la #DeFi. Ce document avance plusieurs pistes possibles de réglementation et invite les parties prenantes à l’occasion dune consultation publique.

　　— Autorité de contrôle prudentiel et de résolution (@ACPR_actu) April 3, 2023

　　DeFi規制には、ステーブルコイン規制が必要不可欠であるとも指摘されている。なぜなら、ステーブルコインは「現在、DeFiの機能に不可欠」とされているからだ。このことは、今月最終投票が予定されているMiCA規制の下では複雑な問題をはらんでいる。なぜなら、「MiCA規制は、仲介者を介さずに完全に分散化された方法で提供されるサービスには適用されない」とされているからだ。DAOでのステーブルコイン使用の規制のためにも、ここで追加のルールが導入される必要があるという。