アルゼンチンでビットコインが過去最高値を更新　インフレが要因か

　　Yashu Gola

　　2023年04月26日 08:31

　　アルゼンチンでビットコインが過去最高値を更新 インフレが要因か

　　アルゼンチンでインフレが続く中、先週にビットコインの価格はアルゼンチン・ペソ（ARS）建てで新たな最高値を記録した。

　　アルゼンチンのインフレがビットコイン価格を押し上げる

　　Googleファイナンスが追跡する集計価格データによると4月18日、BTC-ARSの為替レートは659万ARSを突破した。その後、為替レートは約600万ARSまで下落し、9％減となったが、年初来では100％以上の上昇となっている。

　　アルゼンチン市場でのビットコインの成長は、アルゼンチン・ペソの持続的な価値下落と一致している。例えば、4月24日のブラックマーケットでは、1ドルを460ARSで購入できるようになり、公式のスポットレートの220ARSを大幅に上回った。

　　米国のコンサルタント会社FMyAによると、アルゼンチン中央銀行の外貨準備は2019年以降、約13億ドルに半減した。これにより、2018年の通貨危機のピークである330ARSから99％近く暴落したペソが、さらに切り下げられるリスクが高まっている。現地の人々は、国内の需要増で希少になったドルに避難先を求めている。

　　このような状況で、政府や中央銀行の管理外で運営されるビットコインや類似の仮想通貨が、ますます代替手段として台頭している。たとえば、Paxful取引所でのビットコインのピアツーピア取引量は、3月に週間換算で約3000万ドルの新記録を達成した。

　　2022年の調査によれば、アルゼンチン国民の約60％がビットコインが長期的に貯蓄価値を保護する能力を信じている。また、大手米仮想通貨取引所コインベースも、アルゼンチンでビットコインを法定通貨として採用することを推奨している。

　　ビットコインがアルゼンチンで台頭

　　ビットコインはアルゼンチンで勢いを増している。4月初めには、アルゼンチンの証券監督機関である国家価値委員会（CNV）が、Matba Rofex取引所でデビュー予定のペソ建てビットコイン先物指数を承認した。このデリバティブは、認定投資家がビットコイン市場にエクスポージャーを持つことを可能にする。

　　さらに、経済省が提案した最近の法案では、市民に仮想通貨の保有を申告するよう求め、税制上の優遇措置を提供することが提案されている。また、2022年12月には、アルゼンチンの州がドルペッグ型ステーブルコインの発行を検討していると発表した。