テラ共同創設者ド・クォン氏、韓国引き渡しなら最大懲役40年の可能性も＝報道

　　韓国当局は、テラフォームラボの共同創設者で元CEOであるド・クォン氏の引き渡しを求めている。ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）の報道によれば、韓国の検察当局は、テラUSD（USTC）とLUNAトークンの暴落の被害者にとって、彼の本国への送還が最善の方法だと考えている。

　　クォン氏が起訴されている犯罪のほとんどは韓国で行われたものだと、韓国の検察官であるダン・ソンハン氏は述べている。「この事件の性質を考慮すると、韓国での捜査が（投資家にとって）正義をもたらす最も効率的な方法だと思われる」と、検察官はWSJのインタビューで語っている。

　　クォン氏は韓国国籍であるが、3月にモンテネグロで逮捕され、文書偽造の罪で起訴された。それ以来、米国と韓国の当局が、テラ共同創設者の引き渡しを求めている。またクォン氏はシンガポールの規制当局からも指名手配されている。

　　クォン氏の逮捕後の記者会見で、モンテネグロのマルコ・コヴァチ法務大臣は、彼の引き渡しについての決定は「いくつかの要因」、つまり犯罪の重大さや犯罪が行われた場所や時期に基づくことになると述べた。モンテネグロはシンガポールや韓国との間に引き渡し条約を持っていないという。ただし、米国とは古い引き渡し協定があり、過去には米国市民を引き渡している。

　　韓国の当局は4月下旬、テラフォームラボの共同創設者であるシン・ヒョンソン氏を含む10人を詐欺、横領などの罪で起訴した。検察側は、この10人が約4600億ウォン（3億5000万ドル）の不正利益を得ていたとして告発している。クォン氏も母国に引き渡されると、同様の罪で起訴される可能性があり、最長40年の懲役が課されると、検察官のソンハン氏はWSJに語っている。

　　テラは、アルゴリズムによるステーブルコインの概念を普及させる初期の仮想通貨企業の1つだった。そのエコシステムは、同社のネイティブステーブルコインであるUSTCが2022年5月に米ドルからデペッグされたことをきっかけに崩壊し、昨年の仮想通貨業界の危機の連鎖を引き起こした。