DCGとジェネシス、債権者への償還難航

　　Turner Wright

　　2023年05月11日 07:06

　　DCGとジェネシス、債権者への償還難航

　　デジタルカレンシーグループ（DCG）は、債権者への償還につながる「未解決の社内債務」について解決策を見つけられない状況だと報告した。DCGは仮想通貨企業ジェネシス・キャピタルの親会社だ。

　　5月9日の発表によると、DCGは債権者からの要求を受けてジェネシスとの30日間の調停期間中であるという。ジェネシスは2月に債権者に対する80%の資金回収を見込んだ和解案を提案していた。これは、同社が米国連邦倒産法第11章の申請を行った後のことだ。

　　しかし、4月にジェネシスの債権者が要求を引き上げ、2社間の「原則合意」を乱し、倒産手続きが混乱した。ジェネシスは倒産申請時に10億から100億ドルの債務があると報告している。

　　DCGは「並行して、さらなる財政的な柔軟性を確保するために、成長資本の提供者とともに、ジェネシスに対する未解決の社内債務の再融資について議論中だ」と述べている。「全ての当事者に対して公正な結果を達成することに取り組み、この調停期間中に生産的な解決を期待している」とも付け加えた。

　　ジェネシスの倒産後、DCGは仮想通貨取引所ジェミニとの問題も起きている。

　　DCGとジェネシスは、ジェミナイのクライアントがEarnプログラムの資金を受け取ることができなくなったことに対して、約9億ドルの債務があると報じられている。ジェミナイとのパートナーシップにより、ジェネシスはEarnプログラムを運営していた。今年1月、ジェミニの共同創設者であるキャメロン・ウィンクルヴォス氏は、DCGとそのCEOであるバリー・シルバート氏がジェミニの債権者に「公正な取引」を提供できない場合、訴訟を起こすと脅していた。

　　米国当局も企業の財政問題を受けて行動を起こしている。今年1月、米証券取引委員会（SEC）はジェネシスとジェミナイに対し、未登録の証券の提供を行ったとして訴訟を起こした。さらに、ニューヨーク州金融サービス省もジェミナイのEarnプログラムについて調査していると報じられている。

　　この30日間の調停期間は、DCGとジェネシスに5月末までに提案された再構築計画について合意に達する時間を与える。ジェネシスは初回の第11章申請時に、資産をオークションにかけて売却し、5月19日に倒産から脱出する計画を立てていた。