ボイジャー・デジタルの破産計画を裁判所が承認　顧客は請求額の35.7％を回収できる見込み

　　Derek Andersen

　　2023年05月18日 12:50

　　ボイジャー・デジタルの破産計画を裁判所が承認 顧客は請求額の35.7％を回収できる見込み

　　仮想通貨仲介業者ボイジャー・デジタルの破産計画が、5月17日に米国ニューヨーク南部地区連邦破産裁判所によって承認された。ロイターが報じた。裁判所による手続きの承認命令は、裁判所によって公表された。

　　いわゆる第三の破産計画は5月5日に提案されたもので、これはバイナンスUSが4月25日に10億ドル（約1375億円）相当のボイジャーの資産をを買収する計画を撤回したことを受けて提案された。ボイジャーは今後、資産を清算し、債権者に分配することになる。

　　バイナンスUSの買収計画の前には、FTX USがボイジャーの資産のオークションで14億ドルで落札していたが、FTXの破綻によりこの取引は実現しなかった。FTXの買収計画では、債権者が口座価値の72％を受け取ることができたとされる。一方でFTXは今年1月にボイジャーに対して4億4580万ドルを請求する訴えを起こしている。2022年に行われた貸付返済がFTXの破産直前に行われたため、差し押さえが可能であると主張した。

　　ボイジャーはウェブサイトで、顧客はボイジャーアプリを通じて仮想通貨で、または30日後に現金で、請求額の35.72％を受け取ることができると発表した。ボイジャーによれば、5月8日時点で18億ドルの請求に対して、13億3000万ドルの資産が回収対象であり、そのうち6億2980万ドルが当初の回収可能額だった。

　　FTX/アラメダリサーチの優先回収請求が失敗すれば、債権者の当初の回収額が増加する可能性がある。ボイジャーは、その請求をカバーするために4億4500万ドルを留保している。さらに、ボイジャーは、破産したスリーアローズキャピタルから資金を回収する可能性がある。ボイジャーは6月下旬に、1万5250ビットコイン（BTC）と3億5000万USDCの融資に対する債務不履行通知をスリーアローズに送付した。これらの資産は、当時6億5500万ドルの価値があり、執筆時点では約7億6800万ドルの価値がある。

　　ボイジャーは2022年7月5日に破産を申請した。