OpenAI、超知性AIが10年以内に登場する可能性に警鐘　「世界的な監視体制が必要」

　　Tristan Greene

　　2023年05月23日 14:40

　　OpenAI、超知性AIが10年以内に登場する可能性に警鐘 「世界的な監視体制が必要」

　　OpenAIのサム・アルトマンCEO、最高技術責任者のグレッグ・ブロックマン氏、および主任研究員のイリヤ・スツキバー氏は、ブログ記事で「超知性」の開発とガバナンスに対するOpenAIの立場を詳細に説明した。

　　当然のことかもしれないが、生成型人工知能（AI）技術の業界リーダーと広く認識されているOpenAIは、超人的なAIの開発の努力を続けることよりも、超人的なAIを開発しない方がリスキーであると考えている。

　　「現在のところ見えている全体像を考えると、AIシステムが今後10年以内にほとんどの領域で専門家のスキルレベルを超え、現在の大手企業の1つが行うような生産活動を実行する可能性があると考えられる」

　　AIシステムが人間のレベルに達する可能性（このパラダイムはよく「AGI（人工汎用知能）」と呼ばれる）、またはOpenAIが警告するように、専門家レベルの能力さえ超える可能性は、広く議論されている。一部の専門家は、AIが人類の認知能力に匹敵するか、それを超えることはないと主張している。

　　アルトマン氏、ブロックマン氏、スツキバー氏のOpenAIのリーダーたちは、むしろ慎重な立場を取る方が良いと考えているようだ。しかし、彼らの慎重なアプローチは、抑制を求めているわけではない。

　　ブログ記事では、政府の監督を強化し、一般の人々を意思決定プロセスに巻き込み、開発者や企業との強力な連携を促進することを提案している。これらの点は、最近の議会公聴会で上院小委員会のメンバーからの質問にアルトマン氏が回答した内容を反映している。

　　ブログ記事ではまた、「超知性の創造を停止することは、直感に反してリスキーで困難だ」とOpenAIは指摘している。「私たちはそれを正しく行う必要がある」という一文で締めくくられている。

　　アルトマン氏らは、必然的な超知性AIの創造を阻止するには、世界的な監視体制が必要になるだろうと提案している。「そしてそれすらも、必ずしもうまくいくとは限らない」と彼らは書いている。

　　結局のところ、著者たちは、超知性AIから人類を守るために必要なコントロールとガバナンスメカニズムを開発するために、OpenAIは超知性AIの創造に向けて努力を続けるべきであると結論付けている。

　　AIは全てのテクノロジーセクターに浸透しており、フィンテックも例外ではない。ChatGPTとGPT APIを基に作られた仮想通貨取引ボットや、AIソリューションを分析やカスタマーサービスのプラットフォームに導入する無数の取引所が存在する中、ChatGPTのような消費者向けAI製品の開発に影響を与える規制努力は、仮想通貨業界に大きな影響を及ぼす可能性がある。