SECによるバイナンス提訴　韓国の仮想通貨取引所Gopaxの買収にも影響＝現地報道

　　米証券取引委員会（SEC）がバイナンスを提訴したことを受け、バイナンスの韓国でのビジネスチャンスに悪影響を与える可能性がある。

　　韓国メディアの報道によれば、韓国の金融監督当局である金融サービス委員会（FSC）が、バイナンスによる地元の仮想通貨取引プラットフォーム「Gopax」買収に待ったをかけているという。バイナンスは2月にGopaxの過半数の株式を取得し、2年ぶりに韓国の仮想通貨市場に再参入する方針を示していた。

　　FSCは、最近のSEC提訴を理由に、3月7日に提出されたGopaxの経営陣変更報告書の審査を一時停止したと報じられている。報告書には、バイナンスのアジア太平洋CEOであるレオン・シン・プーン氏ら3名のバイナンス関係者がGopaxの取締役に指名されたことが記載されていた。

　　FSCはGopax取引の審査で、SECによるバイナンスUSの資産凍結要請や証券法違反の疑いがあるという事態を受け、現時点で買収を認めるのは非常に難しいと考えているという。FSCの幹部の1人は、SEC提訴を考慮することが重要だと述べている。

　　バイナンスによるGopax買収は、韓国市場への再参入だけでなく、苦境にある地元の仮想通貨取引プラットフォームの復活でもあった。Gopaxは2022年11月、FTXとジェネシス・グローバル・キャピタルの破産を受け、分散型金融（DeFi）サービス「GoFi」からの元本および利息の支払いを停止していた。

　　ジェネシスの親会社であるデジタル・カレンシー・グループは、Gopaxの第2位株主であり、同社のGoFi製品を提供する主要なビジネスパートナーだったと報じられている。バイナンスによる買収は、Gopax取引所に新たな資本を投入し、GoFiの顧客の出金と利息支払いを行うことを約束していた。

　　SECはバイナンスに対する訴訟で、同取引所が顧客資金を混合し、さまざまな証券法に違反していると非難している。SECは、同取引所とそのCEOであるジャオ・チャンポン氏に対して13件の訴訟を起している。

　　翻訳・編集 コインテレグラフジャパン