DAO管理者の報酬が高すぎる？ エイプコインDAOで論争勃発 ｜ 月額1050万円のケースも

　　Ezra Reguerra

　　2023年06月14日 14:00

　　DAO管理者の報酬が高すぎる？ エイプコインDAOで論争勃発 ｜ 月額1050万円のケースも

　　エイプコイン（APE）エコシステムを管理する分散型自律組織（DAO）のリーダーたちは、組織図で公開された報酬額が「非常識」との指摘を受け、コミュニティメンバーから批判されている。

　　6月10日、エイプコインDAOの事務局長である「バルカン」氏が、DAOリーダーの報酬額を詳細に記した組織図をツイッターで公開した。これにより、月額7000ドル（約98万円）から7万5000ドル（約1050万円）に及ぶ報酬額が明らかになり、一部のコミュニティメンバーから驚きの声が上がった。

　　あるツイッターユーザーは、報酬額が「非常識だ」であり、DAOが「現金を無駄に浪費している」と批判した。このユーザーは、「特別評議会」のメンバーが月額2万ドル（約280万円）を受け取るに値する活動が一体何なのかわからないと述べる。組織図では、いわゆる「特別評議会」がDAO提案の管理を担当している。このためこのユーザーは、2023年にどのような提案が可決されたのかをコミュニティに質問を投げかけている。

　　一方で、マイケルという名前の別のユーザーは、特別評議会の仕事が適切に行われれば、適切な人物にはこれらの金額が正当化されるだろうとツイートした。ただし、彼は「フォーラムを管理するために10万ドル（約1400万円）と、監督するために別の金額を支払うのは笑うしかない」と付け加えた。あるコミュニティメンバーは報酬額が「常軌を逸している」と表現し、別のツイッターユーザーは、この決定を下した人々を「現実とはかけ離れている」と非難した。

　　コミュニティからの懸念に対して、エイプコインDAOの理事であるヤット・シウ氏はツイッターでのスレッドで、支払われている報酬額は「役割の責任と義務に見合ったものだ」と主張した。シウ氏によれば、リスクと責任が高い業界では報酬が高くなる傾向があり、仮想通貨・Web3業界にはリスクと責任の両方が重くのしかかっている。

　　シウ氏は、特別評議員の役割が同様の報酬を受け取る上場中堅企業の役員と類似点があるとも言う。「数千億ドル規模のDAOに奉仕し、それぞれのメンバーに関連するリスクと責任が現実的で重大である」とシウ氏はツイートした。

　　スレッドの中で、あるコミュニティメンバーは、月額2万ドルを受け取る人々が、上場企業の取締役に相当する経歴を持っているのかどうか質問した。シウ氏は、彼らの中には典型的な上場企業の取締役候補者ではない人もいるが、これがDAOがエキサイティングである理由だと答えた。シウ氏によれば、これは典型的なバックグラウンドを持たない人々も、機会を与えられれば活躍できることを証明している。