SEC、「取引所」定義案についてブロックチェーン協会と下院共和党から意見聴取

　　Derek Andersen

　　2023年06月14日 08:40

　　SEC、「取引所」定義案についてブロックチェーン協会と下院共和党から意見聴取

　　米証券取引委員会（SEC）が、1934年証券取引法のルール3b-16の修正案に対する意見募集期間を延長した。これは6月13日に終了とされていた。直前にブロックチェーン協会と共和党の下院金融サービス委員会のメンバーが、最終的な意見を提出している。

　　数百ページにわたるこの修正案は、2022年1月に公開されたが、仮想通貨については触れられていなかった。しかし、意見募集期間再開時に公開された別の長大な文書では、仮想通貨プラットフォームについて言及していた。この修正案は仮想通貨業界に深刻な影響を及ぼす可能性があり、数多くの否定的な反応を呼んでいる。

　　共和党の委員会メンバー29人は、取引所の定義を広げることで「ソフトウェア開発者や、ブロックチェーンネットワークの合意形成メカニズムに参加する者を含む幅広い個人」を対象とする可能性があるとして、提案を批判した。さらに、「コミュニケーションプロトコルシステム」の包括により、機関の規制権限を超える恐れがあると主張。彼らは次のように述べている。

　　「ブロックチェーンネットワークの運用に重要なソフトウェアを操作する開発者やその他の者が、取引所の規制要件を満たす方法が明確でない」

　　この提案は、SECがブロックチェーン技術に対して敵対的である一例であり、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長の個人的な見解を「適切な分析や正当化なく推進するもの」と、彼らは結論付けた。

　　一方、ブロックチェーン協会は既に2回の意見書を提出している。最新の意見書では、SECがその権限を超えていると主張し、最近米国最高裁が認めた「主要疑問教義」を引用している。また、提案の広範な言葉遣いにより、競争的に運営するバリデーターまでもが取引所の一部となる可能性があると協会は指摘した。さらに、ブロックチェーン協会によれば、提案には言論の自由に関する懸念も生じている。

　　また、ブロックチェーン協会は、提案が「テクノロジーニュートラル」を主張しながらも、ブロックチェーン技術に対して敵対的であり、そのコスト分析が欠陥であるとも述べている。同協会のクリスティン・スミスCEOは声明で以下のように語った。

　　「分散型プロトコルや関連組織のユニークな性質を認識する特定のルールを策定する代わりに、SECは議会が設けた元々の範囲を超えて自己の管轄権を拡大し、重大な憲法上の問題やAPA（行政手続法）に関する懸念を引き起こしている」

　　このSECの提案に反対を表明している他の組織には、ベンチャーキャピタルのパラダイム、そしてアドボカシーグループのコインセンターが含まれる。また、SECのヘスター・ピアース委員とマーク・ウエダ委員も、この変更に対する反対を表明している。