香港と米国、2024年までにステーブルコイン規制を目指す

　　Prashant Jha

　　2023年06月14日 08:47

　　香港と米国、2024年までにステーブルコイン規制を目指す

　　香港金融管理局（HKMA）は、ステーブルコイン規制に関する一般向けの意見募集を完了し、2024年末までにステーブルコイン市場に対する明確な規制指針を導入することを目指している。

　　香港政府の財務サービス・財務局次官であるジョセフ・チャン・ホーリム氏は、過去5年間で香港がフィンテック企業の急成長する拠点として台頭していると述べ、投資家保護に焦点を当てたWeb3エコシステムの促進に向けて積極的に取り組んでいると付け加えた。

　　香港は2022年1月にステーブルコイン規制に関する議論を開始し、HKMAは政策関連の勧告に関する8つの質問と、5つの可能な規制結果を示した。1）何もしない、2）オプトイン制度、3）リスクベースの制度、4）キャッチオール制度、5）全面的な禁止ーーというものだ。

　　2023年1月には、規制議論の結果、アルゴリズムステーブルコインの組み込みを完全に禁止し、HKMAはすべてのステーブルコイン発行者に対し、常に基礎となる準備資産で価値を裏付けることを要求した。

　　意見募集の段階が終了したことで、HKMAは発行、ガバナンス、安定化に焦点を当てることになる。

　　香港は2023年に仮想通貨規制の先頭に立ち、西洋諸国の多くがまだ成長途上のセクターに対して慎重な姿勢を取り続けている中、個人投資家向けの仮想通貨取引を開始し、仮想通貨取引所に対して厳格なマネーロンダリング規制に準拠するよう求めるライセンス制度を導入している。

　　香港とは別に、米国下院金融サービス委員会もステーブルコイン市場に対する規制導入を検討している。委員会は2023年に3つのステーブルコイン法案の草案を導入し、最新のものでは連邦準備制度に主要な権限を付与し、州当局が干渉する一定の余地を設けている。

　　両国の地域規制当局のアプローチは大きく異なる。香港の規制当局は積極的に国を仮想通貨のハブにしようとしているが、他方で、米国の規制当局の行動は、ステーブルコイン発行者を含む多くの既存企業が国外に移転することを強いる可能性がある。米国証券取引委員会は、いくつかのステーブルコイン発行者が証券法に違反しているとして、バイナンスUSD（BUSD）の発行者であるパクソストラストに対しても行動を起こしている。