ビットコイン市場はバイナンスやコインベースよりも「はるかに大きい」＝Jan3のサムソン・モウCEO

　　Helen Partz

　　2023年06月16日 00:30

　　ビットコイン市場はバイナンスやコインベースよりも「はるかに大きい」＝Jan3のサムソン・モウCEO

　　大手仮想通貨取引所に対する訴訟騒動が続く中、ビットコイン（BTC）支持者は、BTC市場は取引所がカバーしているものよりもはるかに大きいと主張している。

　　ビットコイン市場はバイナンスやコインベースなどの仮想通貨取引所に限定されていないと、Jan3のCEOであるサムソン・モウ氏がBTCプラハ2023カンファレンスでコインテレグラフに語った。

　　モウ氏は「ビットコインについては、市場全体がどれくらいの規模かを測るのは難しい。なぜなら、多くのビットコイン取引はブロック取引だからだ」と語った。ビットコインのブロック取引に言及したモウ氏は、大量のBTCの売買注文をプライベートに交渉し、実行することができるプライベート取引チャンネルの存在を挙げる。彼はそのようなチェンネルには、ピア・ツー・ピア（P2P）やオ店頭取引（OTC）が含まれるとし、次のように付け加えた。

　　「ビットコイン周辺にはブラックボックスのようなものがある。市場全体がどれくらいかは実際には分からない。ビットコインがP2Pとして機能する場合、取引されるビットコインの量を定量的に測ることはできないだろう」

　　P2PやOTCのようなプライベートなビットコイン取引チャンネルは、CoinGeckoなどの主要な仮想通貨トラッキングサイトでのBTC取引高には含まれていない。つまり、ビットコインの1日の取引高は、記事執筆時点での96億ドルよりも広くなるということだ。

　　「CoinGeckoは仮想通貨取引所で行われる取引だけを追跡し、P2Pプラットフォームやブローカーで行われる取引は追跡していない」と、CoinGeckoの共同創設者で最高執行責任者のボビー・オン氏はコインテレグラフに語った。「P2Pプラットフォームには、バイナンスP2P、フォビP2P、パクスフル、Remitanoなどがある」と彼は指摘。CoinGeckoは、近い将来これらのプラットフォームを追跡する予定はないとオン氏は付け加えた。

　　オン氏はまた、CoinGeckoはOTCでの機関投資家の取引も記録していないと述べ、「追跡している取引所で行われる機関投資家の取引は記録される。OTC取引は記録されない。なぜなら、それは大手企業間のP2P取引のようなものだからだ」と説明する。

　　Jan3のCEOの発言は、バイナンスやコインベースのような仮想通貨取引所の大手が、一部の人々が考えるほどビットコイン市場を支配していないことを示唆しているだろう。

　　2023年1月、ノルウェーの仮想通貨研究会社K33リサーチ（旧アーケインリサーチ）は、バイナンスが2022年のビットコインスポット市場の92%を取り扱っていたと報告した。「取引活動の観点からどのように見ても、バイナンスこそが仮想通貨市場だ」と同社は指摘していた。