テザー、アカウント停止騒動に対応｜コンプライアンスチェックを強化

　　Amaka Nwaokocha

　　2023年06月19日 07:04

　　テザー、アカウント停止騒動に対応｜コンプライアンスチェックを強化

　　ステーブルコインUSDTの発行元であるテザー社は、ついに一部の運営上の懸念に対処した。

　　ニューヨーク州司法長官（NYAG）が公表した文書によれば、同社は2021年に著名な仮想通貨関係者約29人のアカウントを停止したと報じられている。

　　アカウント停止の具体的な理由は明らかにされていないが、テザー社は個々の関係についてコメントを提供する意思はないと返答した。ただし、すべての個人がテザー社のコンプライアンスポリシーに従い、オンボーディングプロセスと継続的な監視の過程で厳格なコンプライアンスチェックが行われていたことを明らかにした。

　　停止されたアカウントの中には、MoonPay、BlockFi、CMSホールディングス（仮想通貨投資会社）、Galoisキャピタル（現在は運用を停止している仮想通貨ヘッジファンド）などの著名な企業が含まれていた。

　　NYAGの調査は2021年2月に終了していたが、調査文書の一部は同年6月頃までの情報が含まれていることが明らかになった。これらの文書内のユーザーコードはすでに編集されている。

　　ニューヨーク州司法長官は、テザー社とその姉妹会社ビットフィネックスが8億5000万ドルの資金を不正使用した疑いで調査を行っていた際に、これらの文書を収集した。この間、両社の親会社であるiFinex社は、NYAGに対して重要な財務文書を提出する前に30日間の延長を要求した。

　　最終的に、関係者は1850万ドルの罰金を支払い、ニューヨークでの取引活動を停止することで合意に達した。その後、コインベースを含むメディアは、情報公開法（FOIL）に基づいて、NYAGに最初の四半期報告書を公開するよう要請した。しかし、テザー社は顧客の機密情報を悪意ある者から守る必要性を理由に、この要請に反対した。

　　テザー社の反対にもかかわらず、NYAGはメディアに文書へのアクセスを許可し、多数の仮想通貨企業アカウントの停止を明らかにした。