米国の最高裁判所　仮想通貨を巡る裁判で初の判断 ｜ コインベースを巡る集団訴訟

　　Tristan Greene

　　2023年06月24日 13:55

　　米国の最高裁判所 仮想通貨を巡る裁判で初の判断 ｜ コインベースを巡る集団訴訟

　　米国の最高裁判所は6月23日、仮想通貨取引所コインベースに有利な判断を下し、同社を巡るカリフォルニア州の2件の訴訟手続きを停止することを決定した。

　　集団訴訟の原告側は、コインベースがユーザーがお金を失った後に適切な救済を提供できなかったと主張し、また同社が欺瞞性のある広告に関与したと主張していた。コインベースは、ユーザーがアカウント作成時に訴訟ではなく仲裁を通じて紛争を解決することに同意したとして、これらの訴訟を棄却するよう裁判所に求めていた。

　　Courthouse Newsが共有した裁判所文書によれば、「ここでの唯一の問題は、中間控訴が進行中の間、地方裁判所が事前審理と審理手続きを停止しなければならないかどうかだ。答えはイエスだ。地方裁判所は手続きを停止しなければならない」とある。

　　今回の判断は、米国の最高裁が仮想通貨関連で判断を下した最初のケースとなる。判決はブレット・カバノー判事が執筆し、他の4人の保守派裁判官によって5対4の投票で支持された。カリフォルニア州地方裁判所は、両方の訴訟を仲裁に移すことになる。

　　この判断はコインベースにとって勝利であるが、仮想通貨業界全体に波及効果をもたらす可能性がある。

　　裁判所の意見書には、「コインベースのアカウントを作成する際、個人はコインベースのユーザー契約の条件に同意する。ここで関連するのは、ユーザー契約に含まれる仲裁条項であり、契約に基づく紛争は拘束力のある仲裁を通じて解決されることが指示されている」とある。

　　カリフォルニア州の地方裁判所は、前述の訴訟においてコインベースの仲裁要求を却下したが、同社は控訴を行い、控訴が処理される間の手続き停止を求めた。しかし、裁判所は、同社の控訴にもかかわらず、民事訴訟を続行する方針だった。最高裁の6月23日の決定により、停止が認められ、集団訴訟が続行される前にコインベースの控訴が通ることが認められた。裁判所の決定により、コインベースは1925年の連邦仲裁法に基づいて、一般的にすべての企業に与えられる法的待遇が認められた。

　　現時点では、他の仮想通貨企業に対する類似の訴訟がどのように影響を受けるかは不明であり、この事件が証券取引委員会（SEC）がコインベースに対して起こした訴訟に影響を与える兆候はない。ただし、最高裁判所の判断が、現行法が仮想通貨業界を巡る事件に円滑に適用できるという考えを基本的に支持していることには注目すべき点だろう。