ネバダ州がプライム・トラストに管財人の指名を求める

　　Turner Wright

　　2023年06月28日 07:10

　　ネバダ州がプライム・トラストに管財人の指名を求める

　　ネバダ州金融機関部門は、仮想通貨管理会社プライム・トラスト（Prime Trust）に対する差し止め命令の提出に続き、再度管財人の指名を求める運動を展開した。

　　6月26日の提出書類で、規制当局はネバダ州第8司法地区裁判所に一時的な差し止め命令と、プライム・トラスト・テクノロジーズに管財人を指名する命令を求めた。プライム・トラストは、資産と負債の間に「大きな不足」があるという規制当局の指摘に同意し、管財人の指名に同意した。

　　提出書類では、顧客や公衆、そして「新興の仮想通貨市場の信頼」に対する「修復不可能な被害」のリスクがあるとして、管財人の即時指名を求めている。

　　「プライムは不安定な財政状況にあり、または破産している。さらに、プライムの状況は、顧客がプライムから引き続き撤退するにつれて、徐々に悪化していくだろう」

　　金融機関部門の提出書類には、プライム・トラストが2019年にすべての仮想通貨を保管するためにファイヤーブロックス（Fireblocks）と契約し、2020年に経営陣が変わったとの主張も含まれている。管理会社は「ファイヤーブロックスの制約」を理由に、2021年1月に顧客にレガシーウォレットの転送アドレスを再導入した。プライム・トラストは2021年12月以降、顧客のレガシーウォレットにアクセスできておらず、顧客の資金を使って仮想通貨を購入している。

　　提出書類によれば、プライム・トラストは顧客に対して約8500万ドルの法定通貨を支払う義務があり、提出時点では約290万ドルしか持っていなかった。ネバダ州の規制当局は、プライム・トラストのデジタル資産に対する負債は少ないが、それでも重要だと指摘した。同社は仮想通貨で約6950万ドルの借金があり、約6860万ドルしか保有していない。

　　この法的手続きは、ネバダ州の規制当局が6月21日に発行した差し止め命令に続くもので、プライム・トラストの財政状況は「著しく悪化」しており、同社は「顧客の資金不足のために顧客からの引き出し要求を履行できない」と主張している。ウォレットインフラストラクチャプロバイダーでありデジタル資産管理会社のビットゴー（BitGo）は6月22日、プライム・トラストの買収をキャンセルする計画を発表した。