ブラックロックCEOラリー・フィンク氏がビットコイン応援団長に浮上？！【仮想通貨相場】

　　

　　著者 松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト

　　東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

　　ポイント

　　・30,000ドル台でのもみ合いもやや上値が重い展開

　　・中国PMI悪化で休日明けの米株安寄り

　　・FOMC議事録はややタカ派も市場の反応は限定的

　　・ラリー・フィンク氏のBTC擁護発言は今後大きな意味を持ちそう

　　昨日のBTC相場

　　昨日のBTC相場は引き続き上値の重い展開。

　　30,000ドル（約435万円）台の取引に終始したが、若干レンジを切り下げている。

　　BTCは月曜日のコインベース株上昇やブラックロックのETF再申請もあり31,000ドルに乗せたが、ドル建てでの年初来高値にあと一歩届かず上値を押さえられると、米市場が休場だった火曜日は目立った材料が無い中、じりじりと値を下げていた。

　　昨日は朝方発表された中国の民間調査のサービス業PMIが前回57.1から53.9に悪化、事前予想56.2も下回ると、中国株が下落、続く欧州株も値を下げる中、連休明けの動向が注目されていた米株先物が下落、リスクオフムードとなり、BTCは30,000ドル台前半に値を下げた。

　　しかし、米株が安寄り後、切り返すと、BTCも30,000ドル台半ばに値を戻した。月曜日のブラックロック分に続きヴァルキリー分のBTC現物ETFをナスダックが再申請したこともサポート材料となったか。

　　注目のFOMC議事録では6月の利上げスキップ決定に至るまで異論が出ていたことが確認されたが、市場の認識を狂わせるほどの内容ではなく、市場の反応は限定的だった。

　　するとFOX TVでブラックロックのラリー・フィンクCEOがBTCはインフレや法定通貨の減価に対するヘッジ手段で国際的な資産だと明言、またNY連銀のウィリアムズ総裁がインフレに満足していないが改善する兆しが見えており、利上げペース鈍化を支持するとコメントしたこともあり、BTCは30,000ドル台半ばで底堅く推移している。