英国の金融業界団体UKファイナンスは、英政府に証券トークン化を推進するよう促している。現在の市場は小さいが、将来の展望は大きいとのことだ。
Derek Andersen
2023年07月07日 14:00
イギリス政府は証券トークン化を推進せよ 金融業界団体UKファイナンスが提言
英国の金融業界団体UKファイナンスは、英政府に証券トークン化を推進するよう促している。現在の市場は小さいが、将来の展望は大きいとのことだ。同団体は、コンサルティング会社オリバー・ワイマンと共同で作成したレポートで、証券トークン化の利点は、コスト削減、リスク低減、アクセス拡大といった「あったら便利」というだけでなく、「金融システムを変革するものであり、英国はその変革の中心に位置づけるべきだ」と語った。
『証券トークン化の力を解放する』というタイトルのレポートは、証券トークン化が資本市場と国際銀行インフラをどのように変革するかを検討している。
UKファイナンスの会長であり、元イングランド銀行理事会メンバーのボブ・ウィグリー氏は、レポート発表に合わせてフィナンシャル・タイムズ紙に寄稿し、「英国は他の金融センターに遅れをとる危険がある。デジタル債券の発行はこれまでにシンガポールやスイスなど他の場所で行われてきた。我々の進歩は米国のようになるだろう。米国は膨大な金融資源、深い資本市場、テクノロジーのノウハウを持っているため、すぐにリードする可能性がある」と語った。
レポートはさらに、「英国政府はトークン化とその促進要因に対するコミットメントをいくつか示してきた。業界は政府からの行動を求めている」と付け加えた。また、シンガポールのプロジェクト・ガーディアンを、政府が民間部門との協力を探り、トークン化資産の利用を開発する例として挙げた。
英国はすでに、証券トークン化に「適した」法的基盤が整備されつつあるともレポートは指摘している。UKファイナンスは、英国がグローバルなトークン化市場のリーダーとして位置づけるためのロードマップを提案した。詳細な計画は、イノベーション、相互運用性、グローバルスタンダードのリーダーシップという3つの要素から成り、5年間にわたっている。財務省が今年開始予定の金融市場インフラサンドボックスが計画の中心的な役割を果たすという。
証券トークン化は現在、小規模ながらも行われており、レポートで引用された調査によれば、2021年には全世界の長期債券(20.6兆ドル)の1%がトークン化されている。
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