仮想通貨業界で働く人々は幸福なのか？ 大手取引所では従業員の満足度が低い傾向＝調査

　　Brayden Lindrea

　　2023年07月07日 17:20

　　仮想通貨業界で働く人々は幸福なのか？ 大手取引所では従業員の満足度が低い傾向＝調査

　　Glassdoorから得られたデータによると、ジェミナイ、バイナンス、およびコインベースといった仮想通貨取引所は従業員の幸福度が低いとされている。ただし、この結果が歪んでいる可能性があると主張する人々もいる。

　　テクノロジーリクルートメント会社TrueUpによる象限チャートは、従業員の幸福度と成長という観点から、仮想通貨企業がどのように位置付けられるかを示している。このチャートは、Glassdoorという企業レビュープラットフォームからデータを集めて作成されたものだ。

　　最も価値のある仮想通貨企業27社がTrueUpの象限チャートに位置づけられた。

　　このチャートによれば、破綻した仮想通貨レンディング業者セルシウス、仮想通貨取引所ジェミナイ、そして仮想通貨トレーディング企業アンバーグループの従業員は最も満足度が低い。これはそれぞれ80件、139件、42件のレビューから得られたデータによるものだ。

　　バイナンスとコインベースもまた、チャートの左側の満足度が低い方に表示されている。両社のGlassdoorリストには合計1,257件のレビューが掲載されている。

　　Glassdoorには幸福度を測るメトリクスは存在しないが、レビューアーがその会社を友人に推薦するか、自分が働いたCEOを承認するか、また会社に対して前向きな見通しを持っているかを評価する機能がある。

　　「すべての人が過酷な環境に適応できるわけではない」

　　バイナンスの広報担当者はコインテレグラフに対し、同社は、「我々のユーザーのためにサービスを提供することに徹底的に注力する」ことに加えて、「高パフォーマンスの環境で活躍できる」候補者を採用しようとしていると説明している。

　　そして、すべてのバイナンスの従業員が過酷な環境に耐えられるわけではないと述べている。

　　「それはまた、時折、我々の独特で非常に速い環境で活躍できない人々がいるということを意味する。その結果としていくつかの否定的なレビューを受け入れる必要がある」と述べている。

　　「否定的なフィードバックは我々に問題を対処する機会を提供し、我々は従業員の経験を改善するための絶え間ない旅を続けている」と、バイナンスの広報担当者は付け加えている。

　　コインテレグラフは、コインベース、ムーンペイ、ビットパンダ、21シェアーズにコメントを求めたが、記事公開時点までに返答は得られなかった。ジェミナイはコメントを控えるとしている。

　　Glassdoorの懸念点

　　Glassdoorのレビューはユーザーが提出した自己報告の情報だ。2017年、採用担当者らはGlassdoorのデータの真正性に懸念を示し、レビューは容易に偽造または操作できると指摘している。

　　しかし、Glassdoorは、すべてのレビューがそのウェブサイトで公開が承認される前に「モデレーションプロセス」を経ると述べている。

　　クリプト・リクルートの創設者であるニール・ダンドン氏はコインテレグラフに対して、Glassdoorのデータは一定の留保は必要ではあるが、インフラを構築している従業員は取引所で働いている人々よりも満足度が高いようだと指摘する：

　　「満足度の低い従業員は、より投機的な/取引所の環境で働いているため、充実感を感じないかもしれない。一方、右側は実際にブロックチェーンのためのインフラを構築しているので、これらの従業員は仕事により目的を感じているかもしれない」と彼は述べている。 トップクラスの企業での大規模な人員削減がこの数字に反映されている可能性があると、ダンドン氏は示唆した。

　　「全体としての業界では、昨年に起こったレイオフにより、従業員間に不安が蔓延している。そんなときに仕事に幸せを感じるのは難しい」と彼は述べた。

　　ダンドン氏によれば、明るい兆候は、今後、仮想通貨業界の従業員にとって「最悪の時期」が終わりを告げるかもしれないということだ。

　　一方、TrueUpのチャートによれば、業界で「最も幸せ」な労働者がAva Labs（Avalancheブロックチェーンの背後にいるチーム）、仮想通貨取引所およびウォレットプロバイダーのBlockchain.com、そして機関投資家向けのデジタル資産保管業者であるFireblocksから出ている。

　　Glassdoorのデータによれば、現在は破産した仮想通貨レンディングプラットフォーム「セルシウス」の創設者であり元CEOであったアレックス・マシンスキー氏は、業界で最も嫌われているCEOの一人で、過去及び現在のセルシウスの従業員のうち、彼を「承認」したのはわずか27%だった。

　　一方、コインベースのブライアン・アームストロング氏とバイナンスのジャオ・チャンポン氏は、それぞれ69%および65%の承認率を持っている。これはテクノロジーベースのCEOたちの平均よりも低い。