破綻した仮想通貨貸付企業ブロックファイのCEO　リスク管理チームからの助言を無視か＝裁判所文書

　　Turner Wright

　　2023年07月15日 10:30

　　破綻した仮想通貨貸付企業ブロックファイのCEO リスク管理チームからの助言を無視か＝裁判所文書

　　破産した仮想通貨レンディング業者ブロックファイ（ブロックファイ）のCEOだったザック・プリンス氏は、アラメダ・リサーチへの資産貸付について、同社のリスク管理チームからの勧告を無視していたという。

　　無担保債権者委員会がニュージャージー州連邦破産裁判所に提出した書類によれば、ブロックファイのリスク管理チームはアラメダへの資産貸付が「高リスク」だと報告していた。しかし、プリンス氏はブロックファイが2021年8月までにアラメダに2億1700万ドルを貸付することに対するリスク管理チームの懸念を一蹴した。チームは、ローンを担保するために使用されたFTXトークン（FTT）が売却される必要がある場合、リスクが生じる可能性があると指摘した。

　　「ブロックファイのリスク管理チームは、早くも2021年8月に、アラメダの貸借対照表は、監査されていない財務諸表に基づき、『〜7bbの開放されたFTT、およびロックされたトークンを含む総計11bb』で主に構成されていると助言された」と提出書類に記述されている。「これがブロックファイで警告を引き起こした。プリンス氏は、リスクチームに『GBTCシェアの代わりにFTTや他の担保種類で、（アラメダが）スリーアローズの規模の借り手に慣れる』と主張した」という

　　2022年1月以降、リスク管理チームはアラメダへの貸付に関連する潜在的なリスクについてプリンス氏にメモを発行するのを止め、議論を「オフラインの会議とSlack」へと移したが、CEOはここで時折アラメダへのエクスポージャーについて言及したという。同社が破産を宣言した時点で、ブロックファイはFTXとアラメダに約12億ドルの資産を保有していた。

　　ブロックファイが2022年11月に連邦破産法の申請を行った際、FTXとその関連企業への「大きなエクスポージャー」を明らかにした。FTX USは2022年7月にブロックファイから4億ドルの融資枠を受け取り、2つの企業間の財務的な結びつきを強めた。

　　提出書類によれば、「ブロックファイは[2022年6月に]アラメダからの貸出を回収し、アラメダは未払い残高をほぼゼロまで返済した。その後、ブロックファイは関係を終了できた。しかし、代わりにブロックファイはアラメダに約9億ドルを再び貸出した（2022年7月から9月の間に）、これはほぼ全額がFTTにより担保化されていた」。

　　提出書類にはさらに、「アラメダ/FTXの失敗がブロックファイの破綻を引き起こした可能性はあるが、ブロックファイの終焉は、アラメダ/FTXの破産申請よりも前にあった商習慣に根ざしていた」とも指摘している。

　　コインテレグラフに対する声明で、ブロックファイの広報担当者は報告書に同意しないと述べた。同社は裁判所への別の提出書類で、報告書の背後にある債権者委員会が「文脈から取り出した発言を選び取り、他の問題では誤り、約束された客観的な分析を提供しない」と主張した。

　　ブロックファイは、その破産申請の理由として、FTXへのエクスポージャーを挙げている。FTXがFTTトークンに基づいて担保化したローンは、FTTトークンの価格が連邦破産法第11章の申請と流動性問題の中で25ドルから2ドル以下に下落した後、多くの企業が手詰まりとなった