ビットコインとイーサの価格が2倍になれば、破綻企業セルシウスは全ての負債を返済できる＝仮想通貨投資会社が試算

　　破産した仮想通貨レンディング事業者セルシウスは、様々な当事者から数十億ドルの負債を抱えている。仮想通貨中心の投資会社であるバンク・オブ・ザ・フューチャーによる新たな試算では、セルシウスは、ビットコイン（BTC）とイーサリウム（ETH）の価格が現在の市場価格を2倍にした場合、請求を全て返済することができるという。

　　バンク・オブ・ザ・フューチャーの創設者であるサイモン・ディクソン氏は、セルシウスが全ての請求を返済し、他の全ての資産を保持するためにBTCとETHが到達する必要がある価格水準についてツイートした。

　　5月にセルシウスの資産を取得するための入札に勝ったファーレンハイト・コンソーシアムとの最終的な合意に基づき、BTCの価格が54,879ドル、ETHの価格が3,750ドルに達した場合、セルシウスは両資産の価格上昇から全ての請求を返済できるという。6月に、セルシウスは資産価値を最大化するために、全てのアルトコインをビットコインとイーサリウムに変換するよう裁判所に申し立てている。

　　ディクソン氏は、これらの推計は「特別な情報へのアクセスがないBF（バンク・オブ・ザ・フューチャー）内部の投資銀行チームによる不完全な知識に基づいている」としている。ファーレンハイトによる新たな再建計画には、マイニング、機関融資、約14億ドルの評価額の投資、および4億5千万ドルの流動性のある仮想通貨が含まれている。また、ファーレンハイトの回収計画と、ウィンクルボス兄弟所有のジェミナイ・トラストと関連する持株会社であるブロックチェーン回収投資コンソーシアム（BRIC）の清算計画との比較も共有した。秩序ある清算の下での総回収額は35億1910万ドルで、利用可能な総資産額34億4170万ドルを超える。この差異は変動費によるものだ。

　　個人の借り手への返還は約3億3900万ドルである。バンク・オブ・ザ・フューチャーの試算によれば、両方のオプションでも回収率は約65%で、請求の10%が未請求であると仮定すると、約75%に増加する可能性がある。ファーレンハイトの計画における回収の41.4%は株式で、残りの58.6%は流動性のある仮想通貨だ。BRICの秩序ある清算における回収の12.4%は株式で、残りの87.6%は流動性のある仮想通貨となっている。

　　ディクソン氏は、債権者は2023年末、またはBTCとETHの価格が試算に達する前に破産手続きから脱出するべきだと述べた。彼は「再び大きな問題が発生した場合にはそれと闘う必要があるが、それを避けるためだ」と付け加えた。

　　翻訳・編集 コインテレグラフジャパン