米司法省がFTX元CEOを再び起訴　検察側証人になった元恋人の日記をマスコミにリーク

　　Helen Partz

　　2023年07月22日 08:45

　　米司法省がFTX元CEOを再び起訴 検察側証人になった元恋人の日記をマスコミにリーク

　　米司法省は、FTX創設者であるサム・バンクマン-フリード氏（SBF）に対して、かつてのビジネスパートナーであり恋愛関係にもあったキャロライン・エリソン氏のプライベートな文書をリークしたとして起訴した。

　　新たに提出された起訴状によれば、司法省は2022年末に検察側の証人となったエリソン氏の信用を失墜させる試みをバンクマン-フリード氏が行ったと指摘している。

　　起訴状では、ダミアン・ウィリアムズ検事が、バンクマン-フリード氏がエリソン氏の個人的な文書を記者に提供し、それらのプライベートな文書が7月20日のニューヨークタイムズの記事に掲載されるようにしたと主張している。

　　エリソン氏の日記には、アラメダ・リサーチの仕事での重圧や、バンクマン-フリード氏との恋愛関係の破局からくる苦しみ、自身の職業的な不安感などが記されていた。

　　ニューヨークタイムズの記事では誰がエリソン氏の日記を提供したかを明示していないが、ウィリアムズ検事は「それがバンクマン・フリード氏によるものであることは明らかだ」と指摘している。

　　「政府が今週、この記事が掲載されることを知ったとき、弁護士は被告が記事の著者の1人と面会し、政府の証拠開示資料の一部ではない文書を共有したことを確認した」。

　　記事の内容に基づくと、流出文書は「訴訟の証拠開示資料には含まれていないが、おそらく被告の個人的なGoogleドライブアカウントから取得されたものである」とウィリアムズ検事は述べている。

　　ウィリアムズ検事はまた、米国の連邦民事訴訟規則は、公正な裁判を妨げる可能性のある非公開情報を弁護士やその代理人が公開することを禁じていると述べ、公正な裁判を妨げる可能性のある「当事者や証人による裁判外発言」を禁じる特別規則23.1に基づき、裁判所に命令を出すよう政府が要請していると述べた。

　　「被告が情報源であることを明示せずに、世界的に読者を持つ信頼性のある新聞に記事を掲載させたことは、一方的で偏った主張に誤った正当性を与え、陪審員候補者に不適切な影響を及ぼすリスクを増大させた」と検察側は述べている。

　　コインテレグラフは司法省とバンクマン-フリード氏の弁護士に連絡を取ったが、すぐには返答は得られなかった。

　　グローバル仮想通貨取引所であったFTXは、2022年11月半ばにFTTトークンの流動性危機により崩壊した。その後、バンクマン-フリード氏の仮想通貨帝国が崩壊した結果、2022年12月初旬までに彼に対して少なくとも7つの訴訟が提起された。バンクマン-フリード氏は詐欺、違法な政治献金、中国政府への贈賄などの複数の告発を受けて、10月2日に裁判所に出廷する予定だ。