ナイジェリア中銀、CBDCにNFC機能を追加し非接触決済を可能に

　　前総裁の解任から約2ヶ月が経過したナイジェリア中央銀行（CBN）は依然として、中央銀行デジタル通貨（CBDC）プロジェクトに対する献身を示し、放棄する兆候はないようだ。

　　地元メディア「The Sun」の報道によると、CBNはCBDCであるeナイラのモバイルアプリを強化し、近距離無線通信（NFC）技術を導入した。このアップグレードにより、携帯デバイスと決済端末を近づけることで非接触のeナイラの支払いが可能となる。

　　以前のバージョンではQRコードが取り入れられていた。CBNはNFC技術の追加がCBDCの普及率を向上させるための重要な役割を果たすと強調している。CBNのリスク管理部門副部長であるジョゼフ・アンガイ氏は、銀行規制当局が革新的な技術を利用してユーザー体験を向上させることに取り組んでいるという。

　　アンガイ氏は、最先端技術の活用というアイデアを取り入れ、CBDCにはプログラム機能が搭載されることを明らかにした。彼は、このプログラム機能によってCBDCの支払いを指定された政府プログラムのみに限定することができ、不正のリスクを減らすことができると説明した。

　　さらに、アンガイ氏はCBDCのプログラム機能が農民への対象指定の基金配分を可能にし、道具購入などの特定目的を実現できると強調した。eナイラウォレットに移された資金は、その他の関連しない目的には使えなくなり、意図した使用が厳格に守られることを保証する。

　　報道によれば、アンガイ氏は国内の個人ユーザー向けにCBDCの多くの利点を強調し、決済リスクの軽減と迅速な取引処理を可能にすると述べた。彼はeナイラが金融包摂の問題に対処し、ナイジェリアのCBDCを採用する先駆者的な役割が、各経済プレーヤーやエンティティが国の経験から学ぶ貴重な洞察を提供すると強調した。

　　ナイジェリアは2021年に自国のCBDCであるeナイラを立ち上げた。しかし、普及率は期待を下回り、中央銀行は利用を促進するいくつかのオプションを探求している。

　　中央銀行は交通部門での使用事例を展開し、同時にUSSD機能を提供している。普及率が低い中で、前CBN総裁ゴドウィン・エメフィエレ氏は、自社の利益追求を優先させた商業銀行がeナイラの成長を阻害したと非難した。