仮想通貨決済プロバイダーAlphapo　ハッキング被害額は総額6000万ドル以上か

　　

　　オンチェーン分析を手掛けるZachXBTの7月25日の報告によると、7月23日に発生したとされる仮想通貨決済プロバイダーAlphapoでのハッキングによる被害額は6000万ドルを超えると推定されている。以前の報告では、被害額は約3100万ドルとされていた。

　　Alphapoは、eコマースのサブスクサービスやゲームサイトなどオンラインビジネス向けの仮想通貨決済プロバイダーだ。ミステリーボックスプラットフォームのHypeDropやギャンブルサイトのBovadaやIgnitionの決済プロバイダーとして知られている。7月23日、セキュリティ専門家たちは、Alphapoのホットウォレットから少なくとも2100万ドルが流出したと報告し始め、一部の情報源では損失額が3100万ドルを超えたと報告されていた。

　　当時、Alphapoはこのハッキング疑惑についてコメントしていなかったが、コインテレグラフに対し、新しいアドレスでの入金と出金が再開されると説明していた。また、古いアドレスに入金された資金は「追加で確認される」とチームは語っていた。HypeDropは、決済プロバイダーが「問題を抱えている」と確認し、出金が遅れているが、問題が解決次第、出金は再開されるとした。

　　両社ともハッキングによって問題が引き起こされたとは認めていないが、セキュリティ研究者らは、既知のホットウォレットからの大規模な流出と出金の停止は、攻撃者によって資金が移動された可能性を示唆していると主張している。

　　新たなZachXBTの報告では、トロン（TRON）とビットコイン（BTC）ネットワーク上の古いアドレスから追加で3700万ドルが流出したとされ、合計損失額は6000万ドルを超えるとしている。デューンアナリティクスのデータを引用し、攻撃の背後にはハッカー集団「ラザルス」がいる可能性があると主張した。「このハッキングは、オンチェーンで非常に独特の痕跡を残していることから、ラザルスによって行われた可能性が高い」とZachXBTはツイートした。

　　ラザルスグループは、2014年にノヴェッタをはじめとするセキュリティ研究者のコンソーシアムによって初めて特定されたサイバー犯罪グループで、北朝鮮政府との関連が指摘されている。

　　Alphapoだけでなく、他の中央集権型の仮想通貨プロバイダーも7月に謎の大量出金を経験している。7月7日には、クロスチェーンブリッジングプロトコルのマルチチェーンが1億ドル以上の説明不能な出金を経験した。7月14日には、マルチチェーンチームは、これらの出金がクラウドストレージサービスを通じてプロトコルのプライベートキーに攻撃者がアクセスした結果であることを明らかにし、運営を停止すると発表した。