EOSのICOを巡る裁判の損害賠償額　2200万ドルを「はるかに超える」＝新たな訴訟を起こしたENF

　　EOSの作成者で初期販売者であるブロックワン（Block.one：B1）に対する最新の訴訟は、原告側がより高い賠償金を得る可能性を高めるかもしれないと、EOSネットワーク財団（ENF）の創設者兼CEOのイヴ・ラ・ローズ氏は述べている。

　　2018年にブロックワンが41億ドルを調達した後、ENFに10億ドル投資するという約束を守らなかったとして、ENFがブロックワンに対する訴訟を準備していると発表した。ラ・ローズCEOは、ブロックワンが10億ドルを投資するという約束を破ったことがEOSコミュニティに大きな問題を引き起こしたとし、同社の責任を問うと約束した。

　　多くの投資家がすでにブロックワンに対する別の集団訴訟に参加しているため、ラ・ローズ氏によれば、それらの中には現在の訴訟から脱退する必要があるかもしれないという。「現在の和解提案に満足していないと感じ、脱退で自分たちの利益にかなうと考える場合、それを行うだろう。これは一般的な慣行だ」とENFの創設者はコインテレグラフに語った。

　　ラ・ローズ氏はまた、既に進行中の集団訴訟からの脱退は「より高い賠償金を得る結果につながる可能性がある」と付け加えたが、それは何も受け取らない結果にもつながるかもしれない。

　　「保証はない。だからこれは彼らが選択しなければならない個人的な選択だ」とENFの創設者は指摘し、同社はどの道を選ぶべきかを決定するために、各人が自身の法的助言を求めることを推奨していると再度強調した。

　　ラ・ローズ氏はまた、現在の集団訴訟での和解金額は、影響を受けた人々にとって十分でないかもしれないと強調した。「現在の集団訴訟にはすべての人が含まれておらず、この新たに検討中の訴訟は、参加可能な人々のプールを広げる。また、ブロックワンが提供した2200万ドルは微々たるものだ。41億ドルの調達によって引き起こされた損害は、提供されている賠償金をはるかに超えるものだ」。

　　EOSのイニシャル・コイン・オファリング（ICO）は、2018年6月までに41億ドルを調達し、テレグラムの17億ドルのICOを超え、史上最大のクラウドファンディング調達の1つとなった。1年間のクラウドセールの終了時には、EOSは約12ドルで取引されていたが、これは2018年4月に記録したピーク価格から約44％下落していた。その後、EOSは何度かの浮き沈み経験し、最終的には1ドル以下まで下落した。記事執筆時点では、EOSは0.74ドルで取引されており、過去1年間で約30％下落している。

　　大幅な下落にもかかわらず、EOSは依然として時価総額では大きな仮想通貨の1つであり、記事執筆時点での時価総額は8億2700万ドルである。CoinGeckoによると、EOSは時価総額で54番目のコインとなっている。

　　2019年、ブロックワンは未登録のICOを実施したとして訴えられ、2400万ドルの罰金を支払うことに同意した。数ヶ月後、不満を抱く投資家たちはブロックワンに対する集団訴訟を開始し、同社が金融履歴、運営、予算、役員報酬、リスク要因などについてトークン保有者を欺いたと主張した。