グレイスケール　SECにすべてのビットコインETFの同時承認求める

　　Jesse Coghlan

　　2023年07月28日 15:55

　　グレイスケール SECにすべてのビットコインETFの同時承認求める

　　仮想通貨運用を手掛けるグレイスケールは、米証券取引委員会（SEC）に対し、全ての提案された現物型ビットコイン上場投資信託（ETF）を同時に承認し、特定のETFが優位に立つのを防ぐよう求めている。

　　7月27日にグレイスケールの最高法務責任者クレイグ・サルム氏が投稿した記事によれば、同社の法務チームは8つの現物型ビットコインETF提案（自社のものを含め）について、SECが「勝者と敗者」を選ぶべきではなく、公正かつ秩序だった決定を下すべきだと主張する書簡を提出したという。

　　その書簡では、SECがビットコイン先物ETFの承認に基づいて現物型ETFを承認できると主張し、これら2つのファンドタイプは「切っても切れない関係」にあると述べた。さらに、最近のコインベースと現物型ETFプロバイダー間の監視共有協定（SSA）は「新しいアイデアではない」とし、SSAがSECからの承認のための「特効薬」ではないとしている。

　　インベスコ、ブラックロック、ヴァルキリー、ヴァンエック、ウィズダムツリー、フィデリティ、アーク・インベストからのETF提案が最近、コインベースとのSSAを含めて更新された。コインベースは、SECが市場操作や不規則な取引活動を監視できるように、取引帳簿やその他の情報を共有する。、6月末にSECはSSAがないためにETFを見送り、暗号市場が操作される可能性があると主張し、SSAが必要だとしていた。

　　しかしながら、グレイスケールはSSAが「SECの基準に基づい満たすべきものでも、必要なものでもない」と主張した。なぜなら、コインベースはSECに証券取引所やブローカーディーラーとして、また商品先物取引委員会（CFTC）に先物取引所として登録されていないからだ。さらに、ETFの承認はSECの基準の適用における「肯定的だが突然で重大な変化」をもたらし、「これらの提案に不公平に差別的で先行利益を不適切に付与する」と付け加えた。

　　ビットコインの価格を追跡することを目指すグレイスケール・ビットコイン・トラスト（GBTC）は、サルム氏によれば、ほぼ100万人近い投資家を抱えている。彼は、それがETFに転換されると、投資家に何十億ドルもの価値が還元されるとし、SECがGBTC投資家を現物型ビットコインETFから遠ざける理由は「まったくない」と付け加えた。

　　しかし、SECは昨年6月にGBTCを現物型ビットコインETFに転換する申請を拒否した。これに対し、グレイスケールは規制当局を訴え、同様の投資商品に対して一貫した取り扱いを行わないという理由で恣意的に行動していると主張した。