フランスのプライバシー機関　ワールドコインのデータ収集方法を疑問視＝報道

　　ロイターの報道によれば、フランスのデータ保護機関である「情報処理と自由に関する国家委員会（CNIL）」が、ワールドコインによるデータ収集手法の合法性に疑問を投げかけている。

　　CNILは7月28日にロイターへのメールで、「この収集の合法性は疑わしい。生体認証データの保存条件も同様だ」と語った。また、CNILは調査を開始し、ドイツのバイエルン州当局の調査を支援しているとロイターに対するメールで述べている。

　　ロイターは7月25日に、ワールドコインがローンチ後に英国のデータ規制当局から調査を受ける可能性があるとも報じている。

　　人工知能（AI）チャットボット「ChatGPT」で知られるOpenAIのサム・アルトマン氏が、6月24日にワールドコインをローンチした。このプロジェクトでは、ユーザーが虹彩のスキャンを提供することでデジタルIDと無料の仮想通貨を得ることができる。同社のウェブサイトによると、既に210万人がプロジェクトに登録しており、そのほとんどは過去2年間の試験期間中だった。

　　ワールドコインは公式ローンチ以来、「7.6秒ごとにユニークな人間がワールドIDを認証しており、新たな記録が日々更新されている」とXで投稿している。

　　ワールドコインはローンチ以来、ソウル、メキシコシティ、パリなど、世界各地の都市でのオーブの写真をXに投稿している。しかし、その一方で、ワールドコインは仮想通貨コミュニティから賛否両論の反応を引き起こしている。中央集権化による潜在的な失敗を指摘するユーザーもいれば、AIの存在が増える中で本人の証明が必要だとする声もある。

　　さらに、ワールドコインのローンチ後、新規登録者を集めるのに苦労しているとの指摘も出ている。香港の指定された3か所では全体で600人が登録したという。しかし、翌日、同社の共同創業者であるサム・アルトマン氏は、日本で虹彩スキャンを完了するために待っている長い行列の映像をXに投稿し、これらの主張を反論した。