テザーの超過準備金は33億ドルに　第2四半期の財務証明書レポートを公表

　　Gareth Jenkinson

　　2023年08月01日 15:35

　　テザーの超過準備金は33億ドルに 第2四半期の財務証明書レポートを公表

　　2023年第2四半期の最新の財務証明によると、テザーは流通しているUSDTトークンを裏付けるための財務準備金を増やし続けている。

　　テザーホールディングスは、会計事務所BDOからの第2四半期の証明書を公表し、余剰準備金が8億5000万ドル増加し、総額33億ドルに達したことを強調した。

　　この報告書では、同社がマネーマーケットファンドによって保有されている米国債と、オーバーナイトレポの担保となる米国債への間接的なエクスポージャーがあることを公表した。「これらを合算すると、テザーのステーブルコインを裏付ける米国債の総額は約725億ドルだ」と述べている。

　　テザーのCTOであるパオロ・アルドイノ氏は、6月のアムステルダムでのMoney2020で、テザーの米国債の保有額はメキシコなどの主権国家と同等であると明らかにしていた。

　　テザーは、FTX崩壊とスリーアローズキャピタルなどの仮想通貨企業の破産を受け、余剰準備金を増やすために企業利益を割り当てている。余剰分には、テザーが流通するUSDTトークンを償還するために維持している100％の準備金は含まれていない。

　　アルドイノ氏は、「担保不足の資産を持つ業界関係者が、広範な仮想通貨エコシステムに弱点を生み出している。これが、利益を大規模な余剰準備金の構築に割り当てる決定を促した」と語った。「私たちは、オープンなコミュニケーションと強固な財務が信頼と信頼性を育むと信じている。これは、銀行業界と仮想通貨業界で多くの失敗が発生した年に世界のコミュニティが求めているものだ」とアルドイノ氏は語った。

　　テザーは2023年4月から6月までの営業利益を10億ドルとしており、これは2023年第1四半期から30％増加した。この四半期業績の増加は、ビットコイン（BTC）が3万ドルの水準での固定化によって引き起こされた仮想通貨市場全体の上昇を反映している。

　　2023年第2四半期の報告書では、テザーの準備金の85％が現金または現金同等物の「流動的」な資産で保有されていることも指摘している。テザーの最新の準備金証明では、総資産を864億ドルと見積もっている。流通するUSDTトークンに対するテザーの未払い負債は、831.7億ドルと見積もられている。

　　第2四半期の報告書では、テザーの株主が「グループの強化」のために1億1500万ドルの自社株買いを実施することも明らかにしている。第2四半期の利益は、「エネルギー関連のイニシアチブへのその他の投資」にも向けられている。同社は、エネルギー関連のイニシアチブは証明報告書には含まれていないと述べている。なぜなら、この投資が流通トークンの適切な準備金としては考えていないからだ。

　　この「エネルギー関連の投資」について、テザーは具体的な詳細を明らかにしていないが、同社は最近エルサルバドルの再生可能エネルギープロジェクトへの10億ドルの投資を行っている。