バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、現在のグローバルに流通する大手ステーブルコイン以外の選択肢を投資家に提供するため、より小規模なアルゴリズム・ステーブルコインの市場導入を模索している。
Tom Mitchelhill
2023年08月01日 16:20
バイナンスCEOが語るステーブルコイン戦略 アルゴリズム型も含め多様化を模索
バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、現在のグローバルに流通する大手ステーブルコイン以外の選択肢を投資家に提供するため、より小規模なアルゴリズム・ステーブルコインの市場導入を模索している。
7月31日のツイッターでの質問応答(AMA)セッションで、CZ氏はテザー(USDT)やバイナンスUSD(BUSD)などの大手ステーブルコインに関連するリスクに言及。テザーが市場規模で圧倒的に大きいステーブルコインであるにもかかわらず、その透明性の欠如からテザーに対して慎重な姿勢であると語った。「私自身、USDTの監査報告書を見たことはない。私が話した人々のほとんどもそれを見たことはないと思う。だから、私たちは知らない状態であり、それはある種のブラックボックスだ」と彼は述べた。
バイナンスUSDのような、きちんと規制され、完全に監査されたステーブルコインでさえも、予見できないリスクが伴うと彼は付け加えた。
2月13日、ブロックチェーン・インフラ・プラットフォームのパクソス・トラスト・カンパニーは、ニューヨーク金融サービス局(NYDFS)からの命令を受けて、バイナンスとのパートナーシップを終了し、新たなBUSDステーブルコインの発行を停止した。
「私たちは可能な限り多くのステーブルコインと協力すべきだ。たった1つに賭けるべきではない」と彼は強調し、規制当局が完全に監査されたBUSDを閉鎖するよう動いたことを指摘した。
規制や透明性のリスクを受けて、CZ氏はバイナンスがアルゴリズム・ステーブルコインの開発や、潜在的なリスクを分散するためのステーブルコインパートナーシップの多様化に取り組んでいることを明らかにした。
「私たちは実際に、小規模なチームを持っていて、それぞれの地域で非常に関連性のあるアルゴリズム・ステーブルコインに取り組んでいる」と彼は述べ、「だから全てがある程度のリスクを持っているということを考えると、私たちのアプローチは、とにかく多様化し、どれが成長するかを見るだけだ」と彼は付け加えた。
また、CZ氏はバイナンスが香港でファーストデジタルUSD(FDUSD)を立ち上げ、ヨーロッパでの新たなステーブルコインオプションにも目を向けていることを明らかにした。ファーストデジタルUSDは、ファーストデジタルグループが管理し、香港でライセンスを取得したプログラマブルな米ドル連動のステーブルコインだ。同社は7月26日にバイナンスでFDUSDステーブルコインを上場した。
バイナンスは引き続き規制の不確実性に直面している。7月28日、CZ氏は、米商品先物取引委員会(CFTC)によって彼とバイナンスに対して提起された訴訟の却下を求めた。CZ側は、CFTCがその管轄を逸脱しているというものだ。
また米国証券取引委員会(SEC)は6月、バイナンス、CZ氏に対して訴訟を起こし、未登録の証券の販売、詐欺、利益相反に関与していたと主張した。
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