カーブファイナンスの創設者マイケル・エゴロフ氏が、巨額の負債を軽減するために一部の分散型金融(DeFi)ポジションを手放そうとしている。しかし、その取引相手に一部からは疑問の声が上がっている。
Martin Young
2023年08月02日 16:25
カーブファイナンス創設者 DeFiローン返済のために保有CRVを売却か
カーブファイナンスの創設者マイケル・エゴロフ氏が、巨額の負債を軽減するために一部の分散型金融(DeFi)ポジションを手放そうとしている。しかし、その取引相手に一部からは疑問の声が上がっている。
8月1日、ナンセンのリサーチアナリストであるサンドラ・レオウ氏がエゴロフ氏のCRVポジションの流動性ソースのリストを公開した。レオウ氏によれば、エゴロフ氏はCRVトークン約5000万枚をトークン1枚当たり0.40ドルという市場価格以下の価格で複数の買い手に対してOTC(相対取引)で売却した。この売却には3〜6ヶ月の権利行使期間が含まれており、価格が0.80ドルに達した場合に売却することも可能である。
取引に関与した大手プレイヤーの中には、トロンの創設者ジャスティン・サン氏も含まれている。その他の注目すべき買い手には、テック起業家のジェフリー・ホァン氏(通称“MachiBigBrother”)がいる。同氏を巡っては、ツイッターの仮想通貨ウォッチャーのZachXBT氏が、ホァン氏が複数のプロジェクトで2万2000ETHを着服したと非難した。ホァン氏はこれらの主張を否定し、ZachXBTを名誉棄損で訴えている。
マーケットメイクを行う投資会社DWFラボも割引価格のトークンを一部購入した。その他には、DeFiの貸出プロトコルであるクリームファイナンスや、NFT(非代替性可能トークン)プロジェクトのチームメンバーとしてリストされている“DCFGod”、そして他の3つの暗号ウォレットが含まれている。
ウィンターミュートのエヴゲニー・ガエヴォイCEOは、エゴロフ氏が取引を行っている人々や組織の一部は「問題があるようだ」と指摘し、ウィンターミュートはエゴロフ氏を取引相手として登録していないと付け加えた。
エゴロフ氏は自身のCRVを担保に1億万ドルのDeFiローンを組んだ。CRVの価格が清算価格である0.362ドルに近づくにつれて、流動性が限られた市場にCRVが大量に流れ込む可能性から、DeFiのブラックスワンイベント(予測不能な大きな影響を及ぼす出来事)が起こるのではないかとの懸念が高まった。しかし、一部の債務が返済されてから24時間でトークンは回復し、執筆時点で0.597ドルで取引されている。
エゴロフ氏は1700万ドル以上のステーブルコインローンを返済し、ローンの健全性をわずかに向上させたとDebankは報告している。しかし、エゴロフ氏はまだ巨額の負債を抱えており、Aaveには6000万ドル、Abracadabraには1200万ドル、Inverseには約800万ドルが残っている。彼はまたFraxに900万ドルのローンを組んでおり、その85%という利率に一部の関係者から懸念の声が上がっている。
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