カリフォルニア州車両管理局(DMV)がテゾス(Tezos)のプライベートブロックチェーンを介した車の所有権証明書と所有権移転のデジタル化を試みている。
Brian Quarmby
2023年01月29日 05:00
米カリフォルニア州、車の所有権管理システムのデジタル化をブロックチェーンで実験
カリフォルニア州車両管理局(DMV)がテゾス(Tezos)のプライベートブロックチェーンを介した車の所有権証明書と所有権移転のデジタル化を試みている。
今回の動きはカリフォルニア州DMV、テゾス(Tezos)およびブロックチェーンソフトウェア企業オックスヘッドアルファ(Oxhead Alpha)の提携の一環であり、オックスヘッドアルファは今月25日、その概念実証(POC)に成功したことを発表した。
カリフォルニア州DMVは「シャドーレッジャー」と呼ばれるテゾスのプライベートテストネット上のシステム開発者としてオックスヘッドアルファを指名した。これは基本的には、DMVの現在のデータベースのブロックチェーンベースの複製になるよう設計されている。
カリフォルニア州DMVの最高デジタル責任者(CDO)であるアジャイ・グプタ氏は26日、フォーチュン誌に対し、DMVは今後3カ月以内にシャドーレッジャーの調整を完了する予定だと述べた。
それに続き、車のNFT所有権を保持・移転するためのデジタルウォレットなどのアプリケーションを展開する予定で、DMVはそのような取引を監督する仲介者の役割を果たすという。
「後れを取っているというDMVに対する認識は間違いなく変わるでしょう」とグプタ氏は話した。
オックスヘッドアルファの社長を務めるアンドリュー・スミス氏は、カリフォルニア州DMVのブロックチェーンイニシアチブは、特に現在の紙ベースのシステムの近代化において、幅広いユースケースをDMVに提供すると説明した。
スミス氏は、車の販売者が車の状態に関する重要な情報を隠して、何も知らない購入者に欠陥車を売却する取引詐欺などの事例を挙げた。
欠陥車はカリフォルニア州では所有権証明書上で特別指定されるが、販売者は車を別の州に移すことで比較的容易に欠陥指定を隠すことができるとスミス氏は指摘した。
しかし、ブロックチェーンベースの記録管理を採用することにより、また、今後の可能性として他州のDMVもこのテクノロジーを採用することで、車の実際の履歴をデジタルで追跡することがはるかに容易になるだろうとスミス氏は述べた。
「永続的なデジタル所有権を持つ利点に関して言えば、これは明白なユースケースだ」とスミス氏は述べた。
テゾスがDMVに適している理由について、スミス氏は1月25日のオックスヘッドアルファの発表の中で、同社のブロックチェーンは「ブロックチェーンの厄介な問題をエレガントに解決する」と説明した。
またスミス氏は、「責任ある合意形成、オンチェーンガバナンス、機関グレードセキュリティの組み合わせにより、テゾスはプロダクションレディなソリューションを提供するのに最適なプラットフォームとなっている」と述べた。
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