ベネズエラ、仮想通貨マイニング施設を一斉停止 汚職疑惑で仮想通貨監督局も再編へ

　　

　　ベネズエラのエネルギー供給会社は、国内の仮想通貨マイニング施設を一斉停止させた。これには国の暗号資産部門の再編と、石油会社を巡る汚職捜査が進行中であることと関連しているようだ。

　　更にベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は3月17日に発令した布告で、国家仮想通貨監督局の再編を発表している。

　　地元メディア報道やベネズエラの仮想通貨協会のツイートによると、ララ州、カラボボ州、ボリバル州で過去数日間にマイニング施設が停止された。影響を受けた仮想通貨関連企業の数は不明であるが、一部の仮想通貨取引所にも営業停止命令が出された。

　　#ULTIMAHORA se confirma que fue solicitado el apagado de las granjas de mineria digital en el Estado Bolívar. Consideramos esta un medida arbitraria, qué va en contra de los intereses de la industria privada.

　　— Asonacrip (Asociación Nacional de Criptomonedas) (@AsonacripVe) March 25, 2023

　　仮想通貨マイニング施設の閉鎖は、ベネズエラの石油会社PDVSAと国の暗号資産部門を巡る汚職捜査の一環と考えられている。

　　Comunicado relacionado a los recientes cortes de servicio eléctrico experimentados en todas las infraestructuras de hashrate del país

　　Announcement related to the recent power cuts in all Venezuelan hashrate infrastructures.

　　— Doctorminer® (@doctorminer_) March 24, 2023

　　ベネズエラの検事総長であるタレク・ウィリアム・サーブ氏は3月25日、同国政府関係者が暗号資産関連事業の買収を利用したスキームで不正に石油業務を行っていたとの疑惑を明らかにした。

　　サーブ検事総長によれば今回の捜査で少なくとも10人が逮捕されており、ベネズエラ政府が2018年に設立した暗号資産部を率いていたホセリット・ラミレス・カマチョ氏も含まれている。カマチョ氏が率いていた暗号資産部門は仮想通貨の税制や、同国が発行した仮想通貨ペトロを管理している部門だ。先の報道によると、カマチョ氏は捜査中の3月17日に逮捕された。

　　Tarek William Saab: El primer caso que queremos exponer se refiere a una nueva trama de corrupción en Pdvsa, la número 31, que incluye esta vez a la Superintendencia Nacional de Criptoactivos (Sunacrip)

　　— Ministerio Público venezolano (@MinpublicoVEN) March 25, 2023

　　2020年6月以降、カマチョ氏はアメリカの指名手配リストに載っており最大500万ドル（約6億円）の懸賞金がかけらている。カマチョ氏が同国麻薬王と「深い政治的、社会的、経済的なつながり」を持っていることが理由だという。