米連邦準備制度理事会(FRB)は、ステーブルコインを通貨の一形態と見なしているようだ。
Derek Andersen
2023年06月22日 07:53
FRBがステーブルコインを「通貨」と判断、監督で「強固な」役割を果たしたいとパウエル議長が発言
米連邦準備制度理事会(FRB)は、ステーブルコインを通貨の一形態と見なしているようだ。ジェローム・パウエルFRB議長が6月21日、米国下院金融サービス委員会による半期政策ヒアリングにおいて明らかにした。
共和党が発案し、可決されれば米国初の仮想通貨法制となるステーブルコイン法案に対して米国下院金融サービス委員会のマキシン・ウォーターズ氏がパウエル議長のコメントを求めた中で発言した。
ウォーターズ議員はパウエル議長に対し、同法案は「58の異なるライセンスを設け、そのうちの2つだけを連邦の規制当局が承認する」と述べ、州や地域、その他の管轄区域により残りのライセンスが発行されると指摘。これは「州の先取権を全く新しいレベルに引き上げる」と主張した。パウエル氏はこれに対し次のように応じた。
「私たちはペイメントステーブルコインを通貨の一形態と見なしている。そして、ステーブルコインの将来について、かなり強力な連邦の役割が適当だと考えている。」
「州レベルで大量のプライベートマネーを創出することは、誤りだろう」とパウエル議長は指摘した。
パウエル議長は米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長とは逆の立場を取ったようだ。ゲンスラー委員長は昨年、上院銀行委員会のヒアリングで、ステーブルコインは登録と規制が必要かもしれないと語り、ビットコインを除く全ての仮想通貨は証券だと何度も述べている。
パウエル議長の立場は、商品先物取引委員会(CFTC)のロスティン・ベーナム委員長が主張する「ステーブルコインはコモディティと判断されるだろう」という主張には全く合致しない。FRBによる貨幣の定義は存在しないが、一般的には交換手段と考えられている。米国の法律では、商品とは「現在または将来、将来配達の契約が結ばれるすべてのサービス、権利、利益を含む商品や物品」と定義されている。証券の定義はもっと複雑だ。
さらに、6月21日に元CFTC委員長のクリス・ジャンカルロ氏が、The Hillでの論説において法案について意見を述べた。全てのライセンス機関は、「法的には許可されているが政治的には好ましくないビジネスに対するサービスを拒否するようにステーブルコインプロトコルに強制する裁量を持つだろう」と彼は指摘した。
「それは、オバマ政権下のOperation Choke Pointと同様の政策を可能にする『顕著な欠点』だ」とジャンカルロ氏は語った。
「この問題の簡単な解決策は、政府のライセンス機関が法的に許された活動を選び取り、ステーブルコインのライセンスの条件付けを法的な取引の拒否に関して行う裁量を持たないようにすることだ。」
そうでなければ、「ステーブルコインの取引は、ワシントンの移り変わる政治風に恐ろしいほど左右されるだろう」とジャンカルロ氏は主張した。
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