CMEグループ、ETHとBTCの比率先物を導入へ

　　Judith BannermanQuist

　　2023年06月30日 07:24

　　CMEグループ、ETHとBTCの比率先物を導入へ

　　6月29日、シカゴマーカンタイル取引所（CME）グループは、イーサリアムとビットコインの比率を対象とする先物商品を公表した。この先物商品は7月31日を予定しており、規制当局の審査が前提となる。

　　発表によると、ETH/BTC比率先物の決済は現金で行われ、CMEグループのETH先物とBTC先物の最終決済価格の比率に基づく。さらに、この新商品は、CMEグループのBTC先物とETH先物契約と同じ取引期間を採用する。

　　CMEグループの仮想通貨製品グローバルヘッドであるジョヴァンニ・ヴィチオソ氏は、イーサとビットコイン間での相対的価値取引の可能性を強調した。ヴィチオソ氏は、これら2つの資産が歴史的に高い相関性を示している一方で、市場動向が異なる可能性があり、それらのパフォーマンスの違いを利益につなげることが可能になると指摘した。彼は次のように付け加えた。

　　「ETH/BTC比率先物の追加により、投資家は方向性を持たずに一回の取引でイーサとビットコインへのエクスポージャーを捉えることができる。この新商品は、ヘッジポジションを持つまたは他の取引戦略を実行する広範なクライアントにとって、効率的でコスト効果の高い方法で機会を生み出すだろう」

　　CMEグループは2017年12月に初のビットコイン先物商品を導入し、仮想通貨市場へ参入した。これに続き、2021年2月にはETHの先物商品を導入した。仮想通貨投資の需要増に対応し、CMEグループは2022年にBTCとETHのマイクロ先物商品を導入し、トレーダーにこれらのデジタル資産に対する新たな選択肢を提供した。

　　4月17日、CMEグループは、標準およびマイクロビットコインとマイクロイーサに対する新オプションの導入を発表し、仮想通貨の選択肢を拡大する計画を明らかにした。これらの新契約は5月22日から利用可能となる予定だったが、規制当局の審査が前提となっていた。

　　この新たな取引オプションの導入により、月曜から金曜までの毎日の満期が設けられ、これによりトレーダーは短期間の価格リスクをより効果的に管理することが可能になる。デジタル資産市場が不安定化している中で、この措置は、ビットコインとイーサの短期的な価格変動に対するリスク管理をより精密で柔軟に行うための新たな手段を市場参加者に提供することを狙っている。